表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第五章 夜魅・奇襲編 
104/140

【#097《対ヒュース戦ついに……》】

【昼、都市クレイシス・情報管理局前凍結広場】



「日本人は諦めが悪い人種なんだよ、良かれ悪かれな!覚えておけ!参ノ型“破錐”!」



ピラミッド状に形成していた結界エネルギーを、防御から攻撃へと変えた。


亀裂入れた場所に撃ち込み、更に深く口を開く。氷を削り、全力の一撃を放ったが、火力が足らない。



「!? 何を考えているの……!?」



珍しくヒュースが感情をあらわにしている。


まあ、そりゃそうだ。結界を解いて、攻撃に出たんだからな。


順調に全長の4分の1ほど亀裂を広げた所で、破錐が止まってしまった。



「……ここまでだね」



一瞬ヒュースは焦ったようだが、破錐が止まった事に安心しているようだ。


確かにここまでなのか……だが、諦めたら試合はそこで終了だ。まだだ!



「俺は覚醒だなんて都合の良いものは信じない。ただ諦めない!それだけだ!!」



ズキン!



「━━━ッ!」


(頭がいてぇ……!)



何だ、こんな時に……!


激しい頭痛が襲ってきた。

━━━瞬間、普段は銀色の光を発する結界エネルギーが、紫へと変色する異変が起きた。



「……なに……あの紫の光……」


「くっ、うぅ……!」



何が起きてるんだ……!さっきまで無くなりかけた霊力が……溢れて来やがる……!


覚醒……!?


そんな都合の良い展開が現実に起きたってのか!つうか覚醒にしてはめっさ頭いてぇ!なに?覚醒ってこんなに辛いものなの!?



ドクン!



心臓が……早く穿ってくる。やべぇ!気が遠く……なって……!



そこでブツンと良夜の意識は途絶えた。同時に氷球を防御することも回避することも出来なくなった━━━のだが、良夜は動いた。



「解除プログラム実行 第一段階“結界”発動確認 プログラム続行 第二段階“解析”発動未確認━━━強制発動開始……3、2、1……“解析”発動確認」


感情のない声で良夜が喋り出したのに、畏怖感をヒュースは感じていた。



「……な、なに……」



良夜から紫色のオーラが放たれ、氷球へと当たる。



「解析完了 氷雪系統上級魔法“真天氷崖球”確認 プログラム続行 第三段階“分解”強制発動 敵性魔法排除開始」



放たれていた紫色のオーラは、更なる輝きを増し氷球を覆うに至った。



「うそ……こんな魔法が……」



氷球は徐々に塵となって消えていく。その光景はまるで、紫色のオーラが氷球を食っているように見えた。

あれほどの質量の氷球を、1分と掛からず分解してしまった。



「っう……!」



しかもその紫色のオーラは、ヒュースの腕をかすめ、右手第二関節部分の肉を薄くだが分解消滅させた。

薄くでも、出血は酷く治療をしなければ出血死してもおかしくないレベルだった。



「敵性魔法排除確認 解除プログラム停止 個体意識移行」



そして紫色のオーラは消えていき、良夜が目を覚ました。



「はっ!? 気を失って……氷球がなくなってる……?」



どういう事だ。激しい頭痛の後、意識がなくなったまでは覚えているが……目の前まで落ちて来ていた氷球が消えている。


それに霊力も回復している……何が起きたんだよ……!



「……わたしの敗け……好きにして」


「……っ」



ヒュースが目の前まで歩いて来て、両手を後ろへやり無抵抗の意思を示していた。


俺が防いだのか?あの状況からどうやって?まるで記憶にない……全力を受け止めるとか言って、何だか分からず勝っても納得出来るわけがない。


この戦いは正々堂々じゃなくてはダメなんだ!



「ま、待ってくれ! 覚えていないんだ!それにその腕の傷……」



深くはないが出血がヤバイ。まるで削り取られたかのような……。


ヒュースの顔も青ざめて来ている。このままじゃ……くそ!自分の力で受け止めなかったどころか、怪我まで負わせてしまうなんて!



「……覚えてないの?(確かにあの時、変な感じがしたけど)」



ヒュースの様子を見るに、俺がやったのは確かみたいだ……!自分の不甲斐なさに歯をギシリと噛み締める。



「……でも敗けは敗け。理由はどうあれ、あの力は貴方から出ているものだった。だから、好きにして」



好きにして……その言葉には重みがあった。


ヒュースからはどんな命令でも聞く意思を感じる。例え、死を要求されても応える程の覚悟を。



「はぁ……はぁ……早く……命令を聞ける体力がある内に……無いなら」



パキィンっ氷の刃が作り出された。

まて、何をするつもりなんだ!



「命を……捧げる!」


「やめろ……!」



刃を自分の喉元へ突き立てようとしていた。そして……



ブシュッ!



真っ赤な鮮血が氷の刃を染めた。



次回へ続く!!


 どもども、焔伽(ほとぎ) (あおい)です!


最近、更新が遅れてしまっています。努力をしなければですね!あと、間も無く100話です!←嬉しい(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ