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異世界の不確定能力(アンノウンスキル)  作者: 焔伽 蒼
第五章 夜魅・奇襲編 
103/140

【#096《諦めない強さ》】

更新が遅れてしまいました。


今回のタイトルって、いろいろな事で使えますよね。

【昼、都市クレイシス・情報管理局前凍結広場】



良夜side



ヒュースが受けてきた苦しみを理解した。

なんで夜魅に協力しているのかも。俺はヒュースを助けたい気持ちになった。ちゃんとした人生を全うしてもらいたい。

それは、夜魅では駄目だ。



「俺はお前を止める!本当の居場所を作ってやる!」



決意は固まった。ヒュースは複雑な表情をしていたが知らない。



「……そんなの……意味がわからないよ……」


「ヒュース、お前の全力をぶつけてこい」


「……? ……なにを」


「その上で俺は攻撃をしない!全て防ぎ切ってみせる! そして全て防ぎ切れたら、夜魅から抜けてくれ。新しい居場所を見付けるから」


「本当……なにがしたいのかわからないよ……私なんかの為に……でも、約束は守る。どのみちこの一撃を防がれたら、私に勝ち目はない」


「はは、それを聞いて安心した。 さあ、来い!」



ヒュースは本気モードへと入った。肌で感じて分かる。瞳も威圧感も、今までの比ではない。



「私の最大の一撃……」



ヒュースから放たれる吹雪が、空に収集し凝縮していく。


パキパキパキと巨大な氷の塊が形成されていく。



「おいおい……まるで、氷山の一角だな」



比喩ではなく、言葉通りの意味だが……。



「……氷雪系上級魔法“真天氷崖球”! 総重量150tにも及ぶ質量……これで終わり!」



150t……!? はは……、街に落ちただけで大損害だな……。


まあどのみち全力を受け止めるって言ったんだ。今さら引けねぇ!



「霊源結界・壱ノ型“羅生”!最・大・展開ッッ!!」



落ちてくる氷球に両手を向け、俺の持つ最強防御術を展開させる。


やがて氷球は羅生に衝突する。激しい衝撃波の後に、とてつもない重みが全身に圧しかかる。



「ぐっ……ぬぉ……!」



ヤバい……想像以上に重い……!


まるでビルを支えているような感覚だ。結界が保っているとは言え、これはキツい!


足が地面に沈む。氷球が落ちてもいないのに、徐々に足元の地面がへっこんでいき、クレーターが作られていく。



「……耐えてる」


(……一撃でぺっしゃんこにするつもりだったのに……あの銀色の壁、すごく固い。だけどやっぱり私の勝ち)



くそ!分かってはいたけど、勝てそうにないよなぁ……!


向こうは最初の一回魔力を使って氷球を作り出せば、後は重力の法則によって攻撃は魔力無しで続行される。


それに対して上からの重圧に耐える俺は、常に霊力で結界を維持し続けなければならない。


いずれは俺の霊力が切れて結界も解ける。そうなれば、俺はR18指定制限が掛かるような姿になってしまう。


だが手はある!と言うよりは賭けだが。


結界の形を薄いピラミッド状に展開した。少しではあるが、あの質量で重力に従って結界に衝突した時、亀裂を入れる事に成功している。深さ10m程だが。このまま羅生で少しでも亀裂を深くしてから、全霊力を使って参ノ型“破錐”を撃ち込む。

上手くいけば氷球を真っ二つに割れるが、成功率は低い。この賭けがどう転ぶかは分からないが、勝負なんてのは博打みたいなもんだ。ここで賭けに出た判断に後悔はない!



ピシッ!



『!?』



俺とヒュースが異変に気付いた。



「ちっ……賭けに敗けたか……」



最悪な展開だ。亀裂が入ったのは結界の方だった。俺の霊力が切れかけていたのだ。



(強度よりガス欠が先かよ……。やはり魔力と霊力が、まだ調和が取れてなかったか……)



仕方無いことだ。舞が作ってくれた、俺の体内にある魔力と霊力の循環を調和するエクシリアは、飲み続けて徐々に調和するものだ。


まだ二回しかエクシリアを飲んでいない状態で、逆によくここまで霊源結界を使えたと思う。


よく漫画とかにあるピンチに覚醒でもあれば便利なのにな……。



「……そろそろ結界も限界のはず。あきらめて」


「勝利宣言か……。そうだな。ただで際少ない勝率が更に減ったんだ。敗けは確定だろう……だがな」


「……?」



言葉に続きがあることに、ヒュースは疑問を感じているんだろうが、その通りだ。俺はニヤッと笑って告げてやる。



「日本人は諦めが悪い人種なんだよ、良かれ悪かれな!覚えておけ!参ノ型“破錐”!」


「!? 何を考えているの……!?」



珍しくヒュースが感情をあらわにしている。


まあ、そりゃそうだ。結界を解いて、攻撃に出たんだからな。



「俺は覚醒だなんて都合の良いものは信じない。ただ諦めない!それだけだ!!」



━━━瞬間、普段は銀色の光を発する結界エネルギーが、紫へと変色する異変が起きた。



次回へ続く!!


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