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そしりそそり、蕎麦の温盛



どうしてだ、どうしてったってどうしようがどうてん。錠剤の形になった意思が赤茶色の瓶の中に収まっていて静かに震えている。いずれこれは熱を発するだろう。瓶は割れてしまうだろう。おかしいな、それはそれで悪くはないはずだ。十万円貯まる貯金箱に放り込まれた千円札では買えないものばっかりが欲しい。煤の溜まった肺にいがいがする喉、エアコンの音。


天井も黒ずんでいる。気づいてる? 君がいると君といるとわたしはどんどん削れていく。君がいるから、胃の奥の、身体の何も入ってないところに君がいて、わたしのことをくすぐるから、わたしは早足になるし時計を気にするし、何をしていてもなにも入らない。これに名前は付いている。


君の名前は知っている。でも、でもわたしは君を飲み込まなければいけないんだ。飲み込んで、飲み込んでサーカスに行けるように、揺れるブランコを目をつむって渡る。それは、どこでだって同じこと。わたしはいつも盲目。


そうやって、いつまでも中途半端に戦って、あと少しで負ける。

それを4次元のせいにして、愚痴りながら少し下に収まっている。それが心地いい、そんなことを繰り返して、少しの後悔を薬味にして生きていく。


灰色の空に椋鳥が飛んでいる。

わたしはその下で自転車をこぐ。


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