『プレスマン長者と娘』
掲載日:2026/08/23
あるところに、プレスマン長者と呼ばれる長者がいました。プレスマンをたくさん持っている長者を想像しますが、ちょっと違います。いえ、プレスマンをたくさん持っているのは正しいのです。長者なのも正しいのですが、簡単に言いますと、旅人を屋敷に招いて泊めてやり、持ち物を奪って殺してしまうのです。特にプレスマンが好きでした。
ある日、見目麗しい若者が、プレスマン長者の家に泊まることになりました。その姿を一目見てしまった長者の娘は、何とかして助けたくなってしまいまして、若者に告げました。この家に泊まると、あすの朝、お命はありません。お風呂に入っているふりでもして、お逃げなさい。いえ、私を連れて逃げてください。
そんなこんなで、若い二人は手に手を取って逃げました。せっかくなので、娘は、長者がこれまでにため込んだプレスマンを持ち出して。しかし、悪いことはできないもので、長者の放った追っ手につかまって、プレスマンは取り戻されてしまいました。若い二人がどうなってしまったかは、よくわからないことにしておきます。
教訓:プレスマンが好きな人に悪い人はいない、と言われるが、それは、速記者に、というのと同義で用いる言葉だということにしておく。




