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うむ。なるほど。  作者: たなかそう


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第三十四話

俺は、なかなか突破できない関門(かんもん)にイライラしていたのだが、ユハは終始(しゅうし)微笑(ほほえ)みを浮かべてペトの話を聞き流していた。

もしかして、ユハ最強なのでは?


「母上?ルイーナ様は、順調に成長なされておいでですので、どうぞご安心を。陛下の事を名で呼んでおられたのは、陛下御自身(ごじしん)のご要望ですので、どちらかと言えば、陛下をお(いさ)め下さい。それで、陛下はどちらに?」


次から次へと繰り出されるペトの攻撃のほんの隙間に、ユハのカウンターが繰り出される。

これにはペトも観念したのか、溜息をひとつ(こぼ)してから、『こちらよ。』と離宮へ入っていく。


「す、すごいな、ユハ」


怒涛(どとう)の勢いで繰り出される攻撃を止めることなく、隙間に()じ込んでいくとは。俺は凄い技を見た。

何より、母親に対してそんなに毅然(きぜん)と発言するなんて。勇者としか言いようがない。


「それに比べて、主は情けにゃいにゃ」


アイッシェンの言葉は無視するとして、俺は勇者に微笑まれて手を引かれながら離宮に入るのだった。


ペトに案内されたのは、離宮の客間(きゃくま)らしき所だ。

美味しそうなお菓子といい匂いのお茶が用意されている。俺の好みは把握済みらしい。

『少々お待ちください。』とペトは出て行ったが、多分、だいぶ待たされるだろうな。


「はぁ~、何か、ここ、落ち着くな~」


まったりすること、約一時間。

俺はメフィスレスとアイッシェンにベロベロに舐められて(くつろ)いでいた。


「ルイーナ様、そろそろ」


唐突にユハが立ち上がり、ピシッとし始めた。

何か聞こえたのか?

ユハは、普段から俺には聞こえないものが聞こえているようで、他人が部屋に近付くだいぶ前から準備を始める。

因みに、俺と召喚獣しかいない時は、俺の要望により一緒にまったりしてくれる。今も、ソファに座って、メフィスレスを気持ち良さそうに撫でていた。


俺もソファの上でちゃんと座って、魔力が周囲に広がらないよう注意しながら浄化する。

今までどんな体勢だったかと言うと、あれだ。昼間におかき食ってテレビ見る体勢だ。


丁度、俺が隅から隅まで綺麗に出来た頃。

客間の扉がバーンと開かれた。


「ルイーナ!私の可愛いルイーナ!会いに来てくれたんだね~!」


入って来たのは言わずもがな。

呼び捨てにするなんて許されるはずもない、高貴な親ばか(・・・)陛下だ。

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