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うむ。なるほど。  作者: たなかそう


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第二十五話

後宮の力関係はほぼほぼ把握した。

ミームの好みも把握した。後宮が苦痛であるのも納得できた。


ミームは、ほのぼの、ゆったり、おっとり、まったり、が大好きなのだ。

後宮の美しい猛獣たちではまったく癒されない。

ミームが安心できる相手は、恐らく三人だけ。


一人目は、意外や意外、あの怖い美人さんことラエリアさん。

外では非常にキツイ顔をした迫力美人だし、物言いも強くて後宮での地位も高いが、ミームと二人きりになると、物凄く優しい人なのだ。最近は、俺にも凄く優しい。


二人目は、騎士団長ボラスの娘、テッシェン。シェンと呼ばれている。

俺が眼を治したボラスの娘だけあって、初めから俺にも親切だ。甘いもの大好きなムチプリぼいんで、ちょっと太い事を気にしているが、甘い物が我慢できない可愛い人だ。


三人目は、オカン気質のスパダリ(スーパーダーリン)、メイレン。

お前は、なぜこんな所にいるんだ。と思うくらい普通にいい人。身の回りの事も自分で出来るし、魔力も心力も強い不思議な人。病みかけの王を正気に戻すための任務中と見た。


この三人は、俺の事も凄く可愛がってくれるが、基本的にミームの癒し担当だ。


対して、俺が気に入っているのは、五人。

一人目は、自分こそが王妃に相応しいと思っているムレ。

二人目は、ムレの取り巻きをしながら鼻で笑っているコッツ。

三人目は、誰も取り巻きを付けないで孤高の華を気取るリリシア。

四人目は、ミームの見えない所で地位の低い人を呼び出して苛めるピス。

五人目は、ピスから苛められている人を助けて顎で使うニマ。


どれもこれも、俺に胸を押し付けてくるけしからん美女たちだ。最高である。

俺は割と、こういう「裏の顔を隠しきれていない馬鹿な美女」が好みなのだ。


対して、嫌な人もいる。


筆頭(ひっとう)が、俺に人を見る目を養わせようと正論(せいろん)を振り(かざ)すゴア。

まるで、俺がおっぱいに溺れて何も考えられないあほボンかのような扱いをする。事実かどうかなんてどうでもいい。俺は、目の前のおっぱいを大事にする所存だ。


次に、政治の何たるかを長々と語り続けるポロ。

次期国王として学ぶ時間ならちゃんとあるし、後宮に来てまでそんな話をしたくない。何より、こいつは政治の知識をわざと間違えて語り、俺に訂正させて楽しんでいる節がある。手のひらで転がされている感じがして、イラっとすることこの上ない。なかなかにデキる嫌味な奴だ。


最後に、愚痴ばっかりで一人で拗ねてるようなニンナ。

可愛い名前に相応しい可愛い顔をしているが、多分、男の子だ。後宮では一番年下で、自分が不幸の中心にいるような顔をしている。こいつに会った後は、俺もミームも最大級(マックス)に疲れる。俺は出来るかぎり会いたくないが、ミームは会わざるを得ない。


あと数人いるが、まだあまりかかわったことはない。ピスがいじめてニマが顎で使ってるとこを見たことがあるくらいだ。

まぁ、そんなこんなで、俺は度々、後宮にお邪魔するようになった。


俺が後宮に行くことになってからの父母の反応は真逆だった。


父のミームは元気を取り戻していった。

だが、その分、母のリルはより激しく病んでいった。

何とかリルの孤立感を無くそうと、俺なりに全力でリルに甘えてみたり、大好きだとパッションを伝えてみたりはしたのだが、なかなか事態は好転(こうてん)しない。


この状況が良いのか悪いのか。今の俺には分からなかった。

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