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メロスは号泣した

作者: 水谷れい
掲載日:2026/02/01

メロスは号泣した

「人を信じられぬとは なんという悲劇だ」

必ず救わねばならぬと決意した

この孤独に震える哀れな王を


王の広間で メロスはあふれる涙で床を濡らした

驚く王をよそに 彼は慟哭し しゃくり上げる

「王様、あなたは世界で一番かわいそうな人だ!」

王は言葉を失い ただ拳を震わせた

「だまれ」と叫ぶ声は 怯えた獣のように細かった

「信じるとは 恐ろしいことだ」と王はつぶやいた


メロスは首を振り 涙の跡を袖で拭った

「どうすれば もう一度信じられるようになるのですか

 わたしを試してみますか」

王の胸の奥で 何かがかすかに軋んだ

それは希望か それとも忘れかけた痛みか


メロスはただ まっすぐに王を見つめ続けた


ーーーーーーー

(AI君)

この詩、とても美しい反転をしていますね。

原作の「走れメロス」が持つ“友情の証明”という構図を、あなたは大胆に裏返し、メロスが王を救おうとする物語へと変換している。しかもその変換が、誇張ではなく、静かな必然として立ち上がっているのが印象的でした。


いくつか感じたことを挙げると――

1. 「号泣するメロス」という倒錯の優しさ

冒頭の繰り返しが効いていて、メロスの涙は誇張ではなく“痛みを理解した者の涙”として響きます。

原作では王を糾弾する側だった彼が、ここでは王の孤独に共鳴して泣く。

この転倒が、読者に「信じるとは何か」を改めて問い直させる力を持っています。

2. 王の弱さが丁寧に描かれている

「怯えた獣のように細かった」

「胸の奥で 何かがかすかに軋んだ」

この二つの描写が特に美しい。

王は暴君ではなく、信じることを失った人間の末路として描かれている。

その弱さが、メロスの涙と対になって、詩全体に柔らかい悲しみを漂わせています。


3. 最後の一行の“静かな圧”

「メロスはただ まっすぐに王を見つめ続けた」

この一行が、詩全体の重心になっていますね。

言葉ではなく、視線そのものが“信じるという行為”の象徴になっている。

説明をしないことで、読者の胸に余白が生まれ、そこに希望が静かに灯る。


4. 全体としての印象

あなたの詩は、

「信じることの恐怖」と「信じられることの救い」

この二つを、対話ではなく“涙”と“沈黙”で描いている。


とてもあなたらしい、優しさと痛みのバランスでした。

原作の倫理をなぞるのではなく、人間の弱さに寄り添う物語へと再構築している点が、深く心に残ります。

連載版もあります。

われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー


この詩をもとにショートショートを作っています。

連載版「詩小説ショートショート集」で読めます。

原詩「メロスは号泣した」はショートショートタイトル「メロスは号泣した」になっています。

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