95話 久しぶりのユミ
◇
終業式が終わって二学期が終わった
わたしは茶道部の部室の戸締まりを確認するため部室に向かっていた
三年生が卒部してからわたしたち二年生が部活では最高学年だ
部室や道具、スケジュールの管理なんかも任され部活動においての責任感も少し出ていた
過去に来てから四度目の冬休みになるのか… 正直働き出すとこの『春休み〜夏休み〜冬休み』のありがたさがものすごくわかる
働きだすとこんなにまとまった休みはそうそう取れない 学生という身分をつくづく実感する
だからと言って寝て過ごすだけの一日もあったりする
つまり、それだけなにをやってもいい一日があるってこと
なんてこと考えながら部室へ向かう階段を降りていた時…
「ミサ…」
上の方からわたしを呼ぶ声が聞こえた気がした
階段で歩を止め振り返った先には、ユミがいた…
「ユミ!? どしたの?? まだ帰ってなかったの?」
少しびっくりして思わず大きい声が出てた
てっきり佐伯と帰ってるものばかりだと思ってたから
ユミとは朝こそ一緒だけどホントそれだけになってた
クラスが離れただけじゃなくユミは彼氏の佐伯と一緒にいることが多くなってたから
「今ちょっと話せない?」
「うん、あっそうだ! 部室いこ? 戸締まり確認行くだけだし誰もいないからさ」
ユミはこくんと頷き階段を降りてくる
わたしたちは二人して部室のある旧校舎へ向かった




