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94話 マキからの言葉



「どうした? 美紗緒、浮かない顔して?」


個人面談を終えたマキがわたしを見つけて声をかけてきてくれた… そんなに浮かない顔してたのかな?なんて思わなくもなかったけど、面談の内容からして たぶん浮かない顔してたんだろう…


「なんかねー うまく言えないんだけど 中々うまくいかないなー…ってね」


マキは手に持っていたテニスラケットをくるくる回しながらわたしの話しを聞いてる


「ふぅ~ん、優等生の美紗緒でもそんなことあるんだ?」


二人して廊下を歩きながら話す

放課後の校舎は人影もまばらだ

運動部の声が遠くに聞こえる


「優等生かぁ… 今のわたしにはもったいないなー」


ラケットをくるくる回しながら黙ってるマキ…

別になにかをマキに求めてる訳じゃない…

ただ、聞いてくれているだけでありがたかった


「どういう事情で美紗緒が浮かない顔してるのかは知らないけどさ 自分のやりたいことのために頑張るしかないんじゃない?」


当たり前のこと、わかりきったことを言えるマキがかっこいいと思った

こないだの吉田くんの件と言い こんなにマキにお世話になってるとは思わなかった

きっとマキだからなんでも話せるんだと思う

継人のこともあってマキには特別な想いがあった

マキに継人を紹介してもらうことになったのは 偶然と言えば偶然なのかもしれないけど、現在いまのわたしにとっては必然にならないといけないことだ…

だけど、現在いまのマキは過去いぜんのマキとは比べ物にならないほど仲良くなってるように思う

わたしはマキに頼ってる… マキが継人を紹介してくれないと困る… だけど、それだけじゃなくわたしはマキのことが好きだ

その自分の気持ちを信じてマキとつき合ってる…

きっとマキにもわたしの『好き』が通じてるんだと思ってる そう思えるくらいわたしとマキは見えないなにかで繋がってるように思えたんだ…



「そうだよね… ありがと、マキ」


素直になれることがありがたかった


「ううん、わたしが悩んだら相談に乗ってくれたらいいから その時まで貸しにしとく」


にっこり微笑みかけるとマキは少し早歩きになった


「んじゃ部活に行ってくる! 茶道部はないんよね? じゃあまた明日ね!」


そう行ってマキは階段を駆け下りる

ラケットが高く振り上げられ左右に揺れる それが手を振ってるかのように見えた


わたしはそのラケットに 小さく手を振って見送った




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