表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/119

91話 それ言わせる?


だけど…わたしの想いとは裏腹に吉田くんはわたしにちょくちょくちょっかいをかけてきていた

マキは『あれはアプローチだな』なんて笑いながら見てたけど、わたしは笑えなかった

一度ハッキリさせなきゃ… そんな考えがマキに伝わったのか、それともわたしが迷惑がってると判断したのか、わたしにこんな提案をしてきた


「もし美紗緒が吉田のことうっとうしいとか思ってるんだったら わたしが力を貸そうか?」


「どうやって?」


ここは美紗緒の案を聞いてみることにした

なにせこういう問題には強そうな気がするし…


「美紗緒は誰か気になる人はいないの?」


ドキッとする質問、そのものずばりは森下先輩にも聞かれたことがある…

どうしよう… 大したことない質問のはずなんだけど…

色恋沙汰は女子高生には大好物な話題…

好きだ嫌いだは盛り上がる話しなんだけど、相手はマキだ… 下手なこと言えないし、だからと言って嘘はつけない…


「それが吉田くんの件となんか関係あるの?」


まずは今回の提案の真意をマキに聞いてみたかった


「あるよ! つまり美紗緒に好きな人がいるってのを吉田にわからせるの! そしたらやんわり諦めるんじゃないかな?ってこと」


ふむ、一応わかる作戦ではある…


「どうやってわからせるの?」


「わたしが吉田の近くで聞こえるように話す! 他の子にも協力してもらって」


なるほど、噂話大好きマキたちのグループなら可能ではあるな? ん? 待てよ? だったらわたしの好きな人がみんなに知れ渡るってこと!?


「そ、そんなことしたらわたしの気になってる人がみんなに知られちゃうじゃん!?」


「そうだね? そういうのやなタイプ?」


こういうところはさすがマキだわ…

どうすればいいんだろ…


「今のうちに美紗緒には好きな人がいるって釘刺しておけば 万が一吉田が告白とかしてきて美紗緒が断って吉田のこと傷つけるとかもなくなるんよ?」


マキの気の回し方に感心する

こういう気が利くところが人の懐に入っていきやすいタイプってことなんだろうな


「予防線、張っとこう! もしいないんだったら適当な名前でもいいじゃん? どうせ誰も知らないんだし!」


無責任に聞こえなくもないけど 確かにこの後もしなんかあったらわたし的にもよくないか…


「で、誰? いないの?」


「じゃ、じゃあ…な、な、な、永久ながひささん…」


もうここは嘘つけなかった… 違う人の名前出すなんてマキに対しても継人つぐとに対してもできない

だったらどうせマキも知らないんだし、と継人つぐとの名前を出した


「だれ? それ?」


「誰でもいーじゃん! とにかく名前だすならそれで!!!」


恥ずかしくて顔から火が出そうだ

いい歳したおばあちゃんが言うことか!?


「ふぅ〜ん、永久さんね… オッケー任せとけ」


マキはぶつぶつと名前をつぶやきながらわたしから離れて行った

別になにも間違ったことはしてないつもりだけど、なんとなく恥ずかしかった…

わたしが蒔いた種でもないのに 想い人を言わされたあげく 下手したら広まりかねないって…

いったいわたしがなにしたって言うのよ…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ