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90話 やめてよね
「吉田さ、美紗緒に気があるんじゃないかな?」
「まさか? 過去はそんなことなかったよ?」
「以前って?」
「・・・・・」
「前にもこんなことあったの? 吉田と?」
わけのわからないこと言うのはわたしのボケだと思ってくれてるマキも たまにこうしてつっこんでくる
「まんざらでもないんだ?」
吉田を見ていたマキの視線がわたしに投げかれられる
いつもより冷ややかな目元に見えたマキの視線
「やめてよ、吉田くんはそんなんじゃないから」
マキからそらした目線は窓の外へと放り投げた
妙な勘違いだけは絶対に避けたかった
◇
それにしても こんな展開だけは絶対に避けなきゃ…
そりゃこれまでだって過去と違う展開もあるにはあるけど それでなにが大きく未来が変わることはないだろうと思える展開ではあった…
だけど、今日あった出来事は一歩間違えば180度変わってしまいかねない出来事だ




