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84話 マキの浴衣



「これでよし!と… うん、似合ってるよ、マキ!」


わたしは部室でマキの浴衣の着付けを手伝ってた


「せっかくきちんと着せてもらえるんだからママに無理言って借りたの! 美紗緒と花火大会行けるんだし!」


マキは鏡に全身を映して浴衣姿を楽しんでる

その気持ちわかるよ

いぜん部活で浴衣の着付け体験をした時は 体験用に用意された浴衣だったけど、やはり自分で用意したものは違う

両親や親族が大切に扱って来たものを自分が着てる喜びは一入ひとしおなのかな?とマキを見て思った


浴衣でガラリと雰囲気が変わるマキ

日に焼けた健康的な肌が浴衣に映えてた


「素敵な浴衣だね」


ほんとは浴衣を着てるマキのことを言ってた

でもなんか照れちゃって「浴衣」って言っちゃった

鏡で自分の姿を見ながらマキはポツンとつぶやいた


「うちね、母子家庭なんよ…」


突然のマキの言葉が少し腑に落ちた

だからいつ来ても誰もいなかったんだ…


「寂しい…?」


多くは聞かなかった

話すならマキが話すと思ってた

俯くマキの様子が鏡越しにわかる…

自分の浴衣姿をおかあさんに重ねてるんじゃないかと思った


「ううん、いまは平気… 美紗緒いるから…」


この子はずっと我慢してたんだ…

なぜだかわたしはそう感じた

陽の射す部屋でマキの表情だけ影があるように感じた




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