8話 母と
「美紗緒? 起きてるんでしょ? どうかしたの?」
「な、なんでもなーい! すぐに降りるから!!」
これ以上心配をかけたくないわたしは母に適当な返事をした
事態を飲み込むのに…これが現実だと把握するのに、どれだけの時間が必要かなんてわからなかったけど それでも今はこの美紗緒を上手にこなさければならないと考えた
ていうか、今日って何日で何曜日なの!?
とりあえず真っ先にすることは 服を着ることだった
全身くまなくチェックしてたわたしは下着一枚のあられもない姿になっていたから
あ、ひとつ気になったこともあった
右腕の前腕部?内側のところに薄っすらひっかいたような、なにかで切った?かのような三本線があった
目立つ程じゃないけど… まぁ痛くもなんともないし すぐに消えるだろう
なにがなんだかわからなくても この部屋のどこになるがあるかはだいたいわかる
ここにこの服、ここに鞄、ここに教科書、だってここは中学生の頃のわたしの部屋
そう認識できれば大体のことは覚えていた
亡き母や父のこと、いまのわたしが中学生2年生だってこと、この状況がいったいなんのか!?なんてこと全て含めてもいまは考えてる時間がなかった
「おかあさーん! 今日何曜日ー? 学校あったっけー?」
わたしはとりあえずいま必要な情報を手っ取り早い手段で求めた
「月曜日よ? 学校あるに決まってるよ!! なに言ってんの??」
母の返事に応えたあと わたしは急いで制服に着替えて部屋を出た
なにもかも急がなきゃいけなかった!
それだけ朝の時間は忙しない…
なのに意味のわからないことだらけだった
それでもわたしがわたしなのは変わらない
なにをすべきかはわかるってもんだ!
時計はもう七時を回っていた…




