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79話 居場所
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茶道部へと向かう間もわたしを襲う違和感
その正体はわかってた
さっきまではマキに絡む怒涛の展開でわたしの頭はいっぱいだったけど、それでも頭の片隅には常に違和感があった
今こうして一人になるとその違和感は確信となって、わたしに襲いかかってきていた
こんなことなかった
初めての経験だった…
確かにわたしはマキとの出会いを覚えてない
だけど今日の出来事が過去はなかったってことはハッキリしている
だって楠木先輩とは挨拶くらいしかしたことなかったし、茶道部でマキと二人きりになったことなんてない
楠木先輩のところに行けたのだって わたしの中身が大人だからだ 高2の頃のわたしにそんな度胸はなかっただろう…
これでいいのだろうか… 正直怖い
だけどどうすることもできない、だってわたしは過去で生きてるんだから…
「あ、いたいた!重命せんぱーい!どこ行ってたんですかー!?」
わたしを探してたのか茶道部の後輩がわたしを見つけて声をかけてきた
「ちょっと野暮用〜! ごめーん! すぐ行くから!」
やっぱり現在のわたしの居場所はここだ!
自分に言い聞かせてわたしは後輩のもとへと急いだ




