70話 新クラスへ
◇
「えぇーーー!! ミサと離れちゃったよぉ…」
新しいクラス表を見たユミが嘆く…大袈裟ではなく本気で嘆いてるように見える
「ミサだけが頼りだったのにな… 大丈夫かな、わたし…不安…」
「大袈裟だよー、ユミ! わたしだってユミと離れるの寂しいけどユミには佐伯いるじゃん!」
「別に同じクラスじゃないし… ミサのこと本気で頼りにしてたのになー…」
同じ学校内にいるし、いつまでも友だちじゃん?とわたしはユミをなだめた まぁしばらくは朝も一緒に登校するだろうしとユミの肩を抱いた
(あった⋯)
わたしは横目で自分のクラス表を確認し、そこにある大泉眞紀の名前を確認していた
◇
落ち込むユミを新しい教室まで送ったあと、わたしは自分のクラスへ一人で向かった
一年生の時のクラスメイトも教室に何人かはいたけど一番の気がかりと言えばマキだった
ザワつく教室に入って黒板に書かれた席順の席に座る
まだ前のクラス同士や部活の仲間みたいな塊があちこちに見受けられる
わたしはの席は教室の後ろの方の窓際
マキは黒板よりの前の方の席だ
どうやらマキはまだ席にはついていないようだった
ー あー ここだここだー!!
少しすると賑やかに話しながら入ってくる数人の男女
その中にマキはいた
「おい、マキー、おまえの席ここだってよ!」
名前は知らないけど見たことある男子が黒板からマキの席を見つけて指さす
「サンキュー! えーここぉー? めっちゃ黒板近いじゃん! やだなぁ〜」
「まじめにお勉強しろってこったろ??」
マキに席を教えた男子が茶化す
ワハハと一緒に入ってきた数人が一斉に笑う
うっせーと言いつつマキが席につく
ー キーンコーンカーンコーン ー
チャイムと同時にあちこちに散らばってた生徒も席に着く それぞれが席に着くだけでさっきまでの喧騒が嘘のように消える
さすがに二年生初日から先生に注意されたくもないだろうし、なによりみんなそんなクラスを様子見してるように見えた




