57話 あっという間に
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終業式が終わると 一気に時間は年末年始へと加速する
そんな中、街はクリスマスムード一色に染まる
一年で一番華やかな季節と言っても過言じゃない
第二次オイルショックとか暗い影があったのをみんなクリスマスくらいは払拭しようとしてたように感じる
暗い時期って少しでも明るい話題を!ってなるもんね
もちろんわたしの周りにも明るい話題はあった!
ユミが佐伯とクリスマスデートの約束をしてた
あぁ〜、そんな青春もあったよね…なんて懐かしむ
気になることはあったけど、あれからユミと佐伯もうまくやってるみたいでまずは一安心⋯かな?
わたしの知る限りじゃ二人とも仲良く卒業したハズだったから、とりあえずそのレールに乗ってるんじゃないかな…
どうしてわたしが気を揉まなきゃなんないのかわかんないけど…一応やっぱり…ほら、ね?
わたしのためって訳じゃなくて、ユミも佐伯も今みたいになってんのはそれぞれの意志だよね…?
決してわたしが無理矢理二人を結びつけようとしたんじゃない…
わたしの知る未来に沿うようにしたわけじゃない…
ここんとこをあんまり考えすぎるとよくわかんなくなるから…できるだけ考えないようにしておこう
みんなそれぞれ自分の意思で行動してるんだ…
そんなこんなでクリスマス→大晦日→お正月とわたしにとっては足早に過ぎてった
わたし的には代わり映えのしない年末年始だったしね
継人は受験勉強頑張ってんのかなー?なんて思いながら年を越した
母は紅白に百恵ちゃんが出ないの残念がってた
わたしは松田聖子と田原俊彦が初出場と知って感慨深いものがあった
年が明けて久しぶりにサッチと会った
サッチは高校で吹奏楽部に入ってるみたいで余程のことがないと会う機会がなかった
未来みたいに携帯だスマホだラインだって簡単に連絡が取れない現在だと きっちり約束してからじゃないと会うのは難しい
ユミは佐伯と約束があったみたいで来れなかった
サッチはユミと会えなかったのを残念がってたし羨ましがってた
冬休みってイベント多いわりには独り身だと特になーんもない なんなら家族と過ごす時間のが長いくらい
こうして友だちと約束してないと誰にも会わないまま三学期を迎えることもザラにある
なんにもしてなくてもあっという間に時は過ぎてった
(食っちゃ寝はしてたけど…)




