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52話 文化祭で文芸部



夏休みを過ぎた頃から少し学校の様子も変わりだす


3年生はクラブを卒業する時期、つまり受験モード

この頃の県立神城南けんなんは進学半分、就職半分くらいの割合の学校で、元いた時代みたいに8〜9割の学生が進学するような時代じゃなかった

それでも県立神城南けんなんは進学校として当時も認識されていた


継人つぐとは卒業後進学してたから まさに今は受験モード真っ只中なんだろう

ちなみにわたしはと言うと、元いた時代じゃほぼ聞かなくなってた『短期大学たんだい』に進学したんだよね

うちは一人っ子なんでわたしの希望は親がだいたい聞いてくれてた

当時はわかってなかったけど、恵まれてたんよね

多少のわがままは聞いてくれてたし…

でなきゃ当時はまだまだ『女が大学行ってどうする?』とか言われてたりした時代だったしね



そんななにかと忙しい中、継人と久しぶりに言葉を交わす機会があった


それが[文化祭]だ! 受験生も高校生活最後の文化祭を楽しもうと必死に見えた

文化祭を必死に楽しもうとすることで 一時ひとときの間、受験生であることを忘れようとしているかのように…

クラブの出し物として文芸部は部室に作品の展示をしていた わたしは茶道部の活動の合間に一人で文芸部を覗きに行ってみた


中学の頃と比べると、なるほどスケールアップしているな、と感じた高校の文化祭

模擬店や出し物も 俄然本格的になっていた

過去いぜんもこうやって茶道部の活動の空き時間に文化祭の校内巡りをやったような気はしてるけど文芸部には行かなかったように思う

あまりハッキリ覚えているわけではないんだけど…

それでも覚えている範囲内だけでも余計なことはしない方がいいんだろうな、と考えてはいた…

いたけど足は文芸部へ向かっていた




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