51話 結局…
◇
結局わたしは以前と同じように茶道部に入った
文芸部に続いてユミとクラブ体験に茶道部へ行った時にやはりお菓子に誘惑されてしまった…だけだったら過去と変わらない
大人になって茶道に少し興味が出てた時期があったのが幸いして茶道部に対しても興味が持てたのが大きかった
なんなら茶道部の顧問『市原先生』とも茶道について意気投合する会話ができたり、過去のわたしとは比べものにならないくらいに茶道部を楽しめていた
継人のことはあれからできるだけ考えないようにしてた 毎日とは言わないまでも学校に通っていれば姿を見かけることはあったが、それはあくまでわたしが見てるってだけで 継人はとくにわたしを探してるとか、見ているとかはなかった
あたりまえだけど、なんか寂しかった…
西田茜さんとも二人でいるところをよく見たしね
あくまでも部長と副部長の関係だって自分に言い聞かせてた
だからそれ以上は余計な意識しないように心がけてた(ってことが意識してるってことなんだけどね)
一度部長の西田茜さんがわたしを訪ねて教室まで来たことがあった わざわざなんの用だろうと思ったけど、クラブ体験の時のわたしの描いた絵をクラブ体験の資料として使わせてほしいと許可を取りに来てたみたいだった
高校生にもなって描いたキキララの絵なんて⋯と思わなくもなかったけど西田茜さんはわたしの絵をすごく褒めてくれた
お手本も見ないで短時間でこれだけの絵が描けるのはすごいよ、なんて褒めてくれてた
わたしも西田部長のマンガのスゴさを話した
西田茜さんは素直に喜んでくれていた
初めて話した西田茜さんは物腰も穏やかで、クラブ体験の時に感じた印象とは違って見えた
こんな一年生のわたしに許可を取りにくるくらい真面目な人なんだな、と思った
西田茜さんはわたしにお礼を言った後、また遊びに来てねと言い残し帰って行った
礼儀正しく良くできたお嬢さんだと感じた
もし、仮に継人が惚れてたとしてもわかるような気がした…(そんなことあってはならないけど)




