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5話 見覚えがある




〈〈ジリリリリリリリリリリリリリリリリリッ〉〉


あーーーっ! もーーーっーー うっさいなぁーーーー!!!


けたたましい音のする方を手でまさぐりながら音源を探す!

2、3回と空を切った手になにかが触れた…

なにかを掴んだ指先から伝わる感触… これだっ!!!


ー カチッ ー


さっきまでわたしを悩ませていた『けたたましい音』は消え、少しの静寂が訪れる…

窓の方を見るとカーテンの隙間から漏れる陽光…

あぁもう朝なんだ… どうして眠りってこう一瞬って感じるんだろう?

重い瞼を無理やりこじ開け天井をみつめる…

天井にぶら下がる照明から長いヒモが手元近くまで伸びてる… そのヒモの先端にはピンクのリボンがついてる… どことなく感じる懐かしさ…

何気なくもう一度窓の方に目をやると…


(んっ? カーテンってあんな柄だっけ?)


見慣れているハズのカーテンになぜだか違和感を感じる 


(寝起きってこんな感覚に陥ることってたまにあるか…)


なんてさほど気にもせずボーッと部屋の中を見回す… 見回す… そこにも数々の違和感と懐かしさが点在していた


(寝起きの覚醒してない頭じゃいろんな記憶が混在してるのかな?)


目にした壁に貼られてるのは『宇宙戦艦ヤマト』のポスターだ


(ヤマト好きだったなぁ… 女の子のくせに、なんてよく言われてたっけ まぁお目当ては古代くんだったんだけどね!)


反対側の壁にはピンクレディのポスター


〈懐かしい〜 ミィちゃん、ケイちゃん、わたしはミィちゃん派だったなぁ〉

(よく友だちと振り付け真似してたなぁ〜)


いくつになっても昔の記憶って忘れてないものはあるんだなぁとつくづく思う


枕元に手を伸ばし さっき止めた目覚まし時計で今の時間を確認する


6時38分⋯えっ!! 6時38分っ!?


(ヤバい! 寝過ごしてる!! 継人つぐとのお弁当作んなきゃ!!)


寝起きの【ボーッと】がなかなか晴れないまま布団の中でゆっくりしすぎてた!!


夫は退職後も元いた職場で再雇用されていたので 引き続き朝の支度とお弁当を作るのがわたしの日課だった!

ここんとこ朝は目覚ましよりも早くに起きるのが当たり前になっていたのでいつもよりもだいぶ寝坊してる!と慌てて わたしはベッドから飛び起きた!!

飛び起き‥た⋯ あれ…?

ベッドから上体を起こしたわたしはある違和感に気づいた さっきまでは寝起きの【ボーッと】で頭が覚醒していな状態だと思っていたんだけど、今は違う…

意識はハッキリしている 時間だって認識できてるし なんならやらなきゃいけないことだって把握してる

だけど…だけど、今わたしが見ている光景はおかしい… 知らないようで知ってる世界⋯

わたしはその違和感の正体を知るべく 周り、つまり部屋の中をゆっくりと観察していった


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