48話 だれ?
ーガラッ
扉が開く音と共に新しいクラブ体験の生徒が入ってきてた
「みんな静かにやりたいことやってるだけだから 聞きたいことがあったら気安く話しかけてみてよ」
「部員さんはみんな優しい人ばかりだからさ」
ゆっくり見ていってね、継人はわたしたちにそう言うと今入って来た生徒の方へと向かって行った
わたしは継人の様子を目で追って見ていた
「ミサ? ねぇ今度あっちのやつ見に行こ?」
「え?あぁ…うん」
わたしはミサに引っ張られるように反対側にも掲示されてる作品を見にいく
「ねぇ?ほんとに副部長のこと覚えてないの?」
「え、なんとなくは… 雰囲気変わってない?」
「そりゃ三年生なってんだもん多少はね? わたしだって最初わかんなかったし」
はぐらかすのに必死になってた
こそこそ小声でそんなこと話しながら他の部員さんの作品を見る
「わっ! これすごい! プロの漫画家さんみたいなやつあるよ!!」
ユミが急に大きな声を出すので一瞬周りの視線が集まる わたしは視線に恥ずかしくなって身を縮めながらユミの指さす作品を見た
なるほどすごくうまいマンガが展示されてた
こんな本格的なの描く人もいるんだ
「継人っ!!」
思いがけず聴こえてきた継人を呼ぶ声に一瞬ドキッとして声のした方を見た
そこにはスラリとした長髪の女生徒の姿…
キリっとした表情から芯の強そうな雰囲気が伝わってくるようだ
『どした?』と 呼ばれた女生徒の方へ歩み寄る継人
だれ?だれ?だれ??さっきまで収まってたドキドキがきっと違う意味を伴って襲ってくる
なにやら親密そうに見える二人の関係が気にな…ってるんだろうな…わたし
もしかしたらこんなこと以前だってあったことかもしれない、継人のこと知らなかったし興味もなかったから以前継人があんな女の人と話しててもなんにも気にならなかっただけかも知れない…
わたしは二人から目が離せなかった




