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45話 どうしよう




それからと言うものことあるごとに天使?を呼び出そうと試みたけど 一度も会えることはなかった

こちらの思い通りにはならないぞ と言う強い意志のようなものを感じた


今日と言う日を迎えるまでに聞きたいことがあったのに… 肝心な時には役に立たないんだから…


今日から一週間『クラブ体験』が始まる

以前のわたしはクラブ体験で体験入部をした『茶道部』に入った経緯がある

ユミと共に茶道部に体験入部をした際にお茶やお菓子で結構なおもてなしをうけた

楽しい先輩たちとのおしゃべりや和やかな雰囲気にわたしとユミはついつい浮ついた気持ちになり茶話会のような雰囲気に魅了され入部したんだ

でも、その後わたしは幽霊部員になってた

自分の思っていたクラブ内容じゃなかったことに気づいたから… きちんと学べば茶道だってきっと応えてくれたはずなんだろうけど、お茶を飲みお菓子を食べながらみんなで談笑する…そんなイメージだけを持ってた当時のわたしに茶道は荷が重すぎた

だけど、今のわたしには当時より茶道に関しては興味がある

『一周回って〜」みたいな言葉があるけど、いまのわたしがまさにソレだった

文芸部の方も気になるには気になるけど、その『気になる』は正直言って文芸部に対してよりも継人つぐとに対する『気になる』なんだよなー…

継人と文芸部に一緒にいれるとしてもわずか一年間のこと… 正直悩ましい…

とにかくクラブ体験に行って自分の気持ちを確かめるしかないと思った

ユミとも一緒にクラブ体験に行こうと約束してあることだし


「ミサー! クラブ見学行こうーーー!!!」


この日が来るのを待ち望んでたユミ

高校生になったら恋愛とクラブ活動がしたいって話してたもんね

誰しも新しい自分に夢見ちゃうもんだ


「今日は文芸部だったよね! あの時以来だし楽しみだね!!」


だね!とだけ答えたわたしは内心ドキドキしてた

なるべく考えないようにしていた継人のことも、考える考えない以前に会えてしまうんだ

そんなこと考えながら文芸部の部室に向かうわたしとユミ… 

あーーー、なんかドキドキしてきた… 今までは考えてるだけだった継人のこと

一歩一歩とその存在に近づいてる現在いま

すぐ隣にいるユミにこの心臓の音が気づかれやしないかとヒヤヒヤしてた


ん? 待てよ? どうしてわたしこんなにドキドキしてんだろ? いまのわたしの状況ってなんなんだろ?

一歩一歩と部室に近づくにつれムクムクと湧き上がってくる疑問…

えっ?これって恋とかじゃないよね?

だってまだ継人とはなんにも始まってないし…

そりゃ継人はわたしの夫なわけだし、好きかって聞かれたらそりゃ… 大切な人だよ…

長年連れ添ったんだもん、そりゃ好きもなんもかんも通り越してる『大切な人』

継人の未来がないと子どもや孫ちゃんたちの未来も存在しないんだ

そういうドキドキも含まれてるんだろうな

緊張もしてるだろうし、以前は学校では出会ってないわけだし…

あー、いろいろ考えてるとなんかもっとドキドキしてきてこれがなんのドキドキか更にわかんなくなってきたっ!!!

まあいいや、どうせすぐにでもドキドキの正体がわかるんだから


「あそこだよミサ! 久しぶりだね文芸部!」


【 クラブ体験 大歓迎!! 】


と書かれた看板らしきものが部室の入り口にぶら下げられ部員らしき人がパイプ椅子に座っているのが見える


「うちのクラブ体験かな? だったらどうぞどうぞ」


わたしたちに気づいた部員らしき人が優しく声をかけてくれた

ペコリと頭を下げわたしたちは文芸部への扉を開いた

ドキドキは勝手に最高潮に達しようとしていた…




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