38話 中学3年生
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1979年04月
わたしは晴れて中学3年生になった
いよいよ高校受験を控える年! なによりも中学生活最後の年だ!
ユミとサッチとは同じクラスになった
ここまでは仲良し3人組を形成してた記憶はある
中学3年生の頃ってどんなことがあったっけ…?
思い出そうにも思い出せない
修学旅行と受験くらいの記憶しかない
その修学旅行もゴールデンウィーク(GW)明けのイベントだ
クラス変えがあったばかりのまだ馴染みの少ないクラスメイト達と修学旅行を通じて一気に仲良くなれた
修学旅行の行き先は『黒部ダム』だった!
初夏とは言え長野はまだ寒かったことを覚えてたわたしは、修学旅行へ行く前にユミやサッチに羽織もの用意してた方がいいよとアドバイスしたくらいだった
バスの中、観光地、旅館、食事、自由時間…どこを切り取っても楽しかったしか出てこない
そうだ、どんな会話だって自由で縛られてなかった中学生時代… 無邪気さや奔放なんていつの間にかすっかり失ってたことに気づかされる
大人になるってどういうことだったんだろう…
修学旅行で訪れた風景や人との出会いに素直に一喜一憂できる… その大切な時間を一緒に過ごせる友人がいる… 本当にかけがえのない時間…
いまのわたしだからこそ気づける時の大切さ…
みんなにも教えてあげたい…気づいて欲しい…この大切な時間を… だけど、そんなこと言ったってわかりっこない だってわたし以上にみんなは今しかない一瞬を自由に生きてるから!
こんなことに気づいてなんになるって言うんだ!
だからわたしはみんなと一生懸命に楽しんだ!
みんなの中に『楽しい』思い出を刻むために!!
いずれわたしの時間は支配される…
そう、愛しい者たちに支配される…
その時までわたしも現在を楽しもう。




