37話 年が明け三学期
年が明けるとわたしは両親に連れられ お正月恒例だった年始まわりに向かった
県を跨いでクルマで移動できるのも楽しかった
一年に一度、この時にしか会えない親類への挨拶まわり… やはりここでも懐かしい顔ぶれにたくさん出会えた
中でも父方と母方の祖母に会えたのが嬉しかった(祖父はどちらも既に他界してた)
どちらのおばあちゃんにも可愛がってもらってた記憶がある 正直どの親類に会っても両親より年上の人達とは一度お別れをした人達ばかりだ
懐かしさもあったが こうして元気な姿を見れていることが感慨深かった
そんなことを言いだしたら両親だってそうなんだけどね
まだまだ慣れないことはあるものだ、と感じた
ちなみにお年玉はたくさん貰えた これはこれでホントに久しぶりの経験だった
こちらでは収入源がお小遣いしかなく、貴重な収入がホントにありがたかった
子どもたちにとってお年玉とはこれほどまでにありがたいものなのだと痛切に感じることができた
短い冬休みが終わるといよいよ三学期だ
三学期ってのは期間的にも短く いよいよ中学2年生も終わりが近づいて来てるんだと思うと時の流れの速さを感じる
わたしがこっちに来てからもう半年が過ぎるんだ…
学年末の三者面談では少し困ったことが起きた
わたしの成績が良くなったことを両親に伝えた先生が志望校も今のまま頑張れば県立神城北高校も狙えると話したことだ
両親は謙遜こそすれ先生にわたしが褒められたことが余程嬉しかったんだろう まぁ、子どもが褒められて悪い気する親はいないってのは理解できる
帰り道わたしにいろいろ高校進学について聞いてきた
さすがに県立神城南に進学しないわけにはいかないわたしは テストや成績が良いのだってたまたまなんだよ?と母をなだめた
確かに今のわたしだと県立神城北高校に入学することだって可能だろうけど、そんなことが目的でわたしは現在ここにいるわけじゃない
高校見学で継人と出会った日…
わたしの未来の一端を垣間見れた気がした
ちゃんと繋がってくレールのようなものを…
わたしはわたしの軌道に乗るんだ…
その為にも3年生になったら県立神城南に合格できるよう勉強をしっかり頑張る!




