22話 お風呂で
ー ちゃぽん
カラダと頭を洗って湯船につかる
思わず『はあぁ〜〜〜っ!」と声が出る
中学生の頃こんな声出てたかな?…なんて思わないことなかったけど もはやこの唸り声?のようなものはとめられなかった
だってお風呂の時間は『至福のひととき』だったから
しばらくお湯の気持ちの良さを全身で感じる
浴室を見回すとあちこちに懐かしいが点在する
カラフルなタイル貼りの床、壁も大っきいタイル貼りで贅沢なつくりに感じる
熱湯と水の蛇口を両方回して温度を調節し適温のお湯をつくる…
未来の時代みたいにお湯の温度を設定すればいいってだけじゃなかった…
うん、こんなんだったけな…
便利なものにはすぐに慣れちゃうんだ、とあらためて思う…
不便だと思っても現在はこれで普通なんだ
不便とか言ってたらキリがないや、とも思った
それだけわたしは未来の世界の生活が当たり前になっていた
不便って言ったらスマホや携帯がないのは不便だと感じてた
こっちに来てから一日も経ってないのにだ…
だけどこっちの世界にはどこにもないんだからこれはないものとして慣れるしかないんだろう
両手の指を絡めて腕を前に伸ばす
腕を両方前に思い切り伸ばすことで肩甲骨が開くのを感じることが気持ちよかった
んんーーーーーっ!!! 気持ちいい〜〜〜!!
んっ? ふと右腕に目が行く⋯
あれ… 消えてる…
指をほどいて右腕の内側を見ると、今朝あったはずの三本線が二本になってた
思った通り⋯ どこかで引っ掻いて痣みたいになってたのが消えてきてるのね…
若いってこういうことなんよねー
なんて若さを実感してみたりする




