19話 帰り道
なんとか今日一日、何ごともなく学校を終えることができた
帰りは坂を下るまでユミと一緒だった
ユミんちはあの坂を上る必要がないから信号のところでバイバイだ
サッチは部活があるから先帰ってて!ってことだったけど、こっそりユミが『サッチは男子と帰ってる』って教えてくれた うんうん、そういうのあったよね!
思春期なんだもん 恋も勉強もなんでも楽しめばいいんだよ!
ユミと信号のところで別れた後わたしはボーッと考えごとをしながら坂道を上っていた
帰りは上り坂なんで階段よりもスロープ?坂道?の方を上っていた なんだか上りは階段よりも坂道のが楽なように感じてそうしていたんだと思う…
上を見るとまだまだ先は長いと思ってしまうくらいの距離だったので いつもわたしは足下を見ながら上ってたっけ… 別に足下見てるのが楽しいってわけじゃなくて、ふと顔を上げた時に『はっ!もうここまで来てる!』って思いたかったから
なんて、つまんないこと考えてたら さっきまでユミと話してたサッチのことが頭をよぎる
『サッチが気になってる男子って誰だったっけ…?』
なぜか気になって思い出そうとしたけど さすがに出てこなかった
わたしはと言うと、とくに中学生時代は意識する子もいなかったように思う…
それだけ当時のわたしは『古代進』推しだったようだ… 今となっては結構大切な時期を『古代くん』に捧げていたように思う
まぁそれもそれで青春だ!と思えば後悔なんてないんだけど、現状ちょっとツラいとも思えた…
だってユミやサッチと『ヤマト』の会話はまだ続くだろうし、かと言って未来のようにネットやスマホがない現在は簡単に調べることもできないから…




