17話 うかつなことは…
お昼のお弁当タイムはユミとサッチと一緒だ
どうしてこの三人だったかと言うと…
実は『宇宙戦艦ヤマト』好きが高じてというもの
ちょっとオタク?腐女子?(この頃こんな言葉はなかったけど)的な同士の繋がりは結構強い絆的なものがあった
とは言え、もう殆ど内容なんて覚えていないわたしにとっては会話に着いていくのも一苦労だ
タイミング的に『宇宙戦艦ヤマト』の映画も公開されてたみたいで話題は映画関連が多くて、これも全く覚えてないときてる…
なのに二人の会話を聞いてるとどうやらわたしは観てたらしい… まぁそりゃ観てるんだろうけど、覚えてないし!!
「あ〜あ、もうこれでヤマトも終わりなのかなぁ〜」
「みんな死んじゃったもんね…」
物騒なことを話しながら二人はお弁当を食べ盛り上がってる
なんとなくわかるようなわからないような、覚えてるようで覚えてないような… 記憶がごちゃ混ぜのヤマト…
「大丈夫じゃない? こんだけ人気なんだもん、ヤマトはまだまだ続くっしょ!?」
この先も続いてることだけは知ってたわたしは二人を励まそうと思った… けど、
「えー、でもみんな死んじゃったんだよ? 古代くんも、雪ちゃんも… なんならヤマトだって壊れちゃったし…」
「そーだよ、ミサだって観た後 言ってたじゃん? もうヤマトに会えないのかな?って」
そんなこと言ってたのか…純粋なわたし…
希望的観測!とだけ言ってわたしは会話から逃げた
推し相手の会話に生半可な知識で挑んではいけないことをわたしは知っていたから…(年の功)
以降わたしは『うんうん』『だよね!』だけでこの会話を乗りきることになった




