13話 ともだち サッチ
しばらく歩くと下り坂に出た
学校までの道程には小さな谷がある
うちからだと下って上るとわたしが通う中学がある
3年間この谷とつき合ったなぁ
暑い夏には汗掻きながら登ったっけ…
この坂を降りてくには坂道と階段があった
わたしは階段派だったのを思い出し階段を降りてく
階段の横には自転車とか押してけるようなスロープもあって、この辺りが坂と共生してる町だなといつもわたしは考えてた
「いち、に、さん、し⋯⋯⋯」
当時も階段を数えながら降りてたもんだ
これだけ長く続く階段だと数えたくなるよね!
上りで数えるのはなんだか疲れる感じでやなんだけどね
だけど不思議と数え終わった記憶はない
だいたい途中で飽きるか、話しかけられることが多かったような気がする
「おっはよー! ミサ!!」
ごじゅういち…って、ほらやっぱり数えてるタイミングで後ろから声をかけられた
「お、おはよーーーっ!!」
足を止め後ろを振り返る⋯⋯⋯、そこには手を振りながら階段を駆け降りてくるポニーテールの制服姿の女の子!
や、やばい!? なんとなく顔も覚えてはいるんだけど名前が思い出せないっ!! 友達失格の烙印を押される!!
懐かしさもあるけど 焦りが先に出ちゃう
ハッ!と視線を胸元にやる、そこには『生田』と書かれた名札が見えた!!
この頃はまだみんな名札をつけてたんだっけ⋯わたしは⋯ つけ忘れてきてるわ…
わたしに追いついたその子は ポン、とわたしの肩を叩いて笑顔を見せる
「い、生田! おはよ!」
わたしはひきつった笑顔でさっきみた名札の名前を呼んだ
「⋯⋯? なにかのジョーク? いつもみたいに『サッチ』でいいよ!」
ケラケラ笑いながらわたしを追い越してく⋯サッチ…
そうだ!『生田幸恵』
サッチだ!! 懐かしー!!!
ピンチを乗り越えた後は強烈な懐かしさが込み上げてくる サッチは確か高校違うとこに進学して中学卒業した後は会う機会もなくなっちゃったんだよね…
「待ってよ!サッチ!!」
わたしはサッチを追いかけて並んで階段を降りてく
少し情報収集もしたかったしね




