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108話 進路の話しは大変



ー 放課後


「はい、つぎ重命さん! お入りください」


三者面談、ついにわたしの順番が回ってきた


「はい…、失礼します」


母とわたしは先生の待つ教室へと入っていった

広い教室の中、生徒の数だけある机や椅子も全部教室の隅へ追いやられていた

ぼつんと教室の真ん中にある机と椅子

机の向かい側には進路指導のはやし先生が座ってわたしたちが来るのを待っていた


「あ、どうぞ…おかけになってください」


林先生は母とわたしの顔を見て声をかける


母は「よろしくお願いします」と会釈をして椅子へ座る

わたしもそれに続いて頭を下げ椅子に座った


なんとなく漂う緊張感

先生は手元の資料を見ながらわたしの方を見て話し始めた


重命しげながは進学希望… 〇〇短大が第一志望なんだよな…」


わたしの顔と資料を交互に見ながら確認を取る


「は、はい わたしの希望は変わりません」


ふむ、と先生は手元の資料になにやら書き込む


「今の重命の学力なら正直もっと上も狙えると思うんだけどな?」


きたっ! この質問… 開始早々だったけど、そりゃそうか、とも思えた


「わたしたちからしても意外だったんですよ…」


母が林先生の言葉に同意するかのように話しを合わせる

わたしはこの後の展開を想定しながらいかに事なきを得れるか考えていた


「どうだ?重命?おかあさんもこうおっしゃってくれてることだし、もう少し検討してみるってのは?」


もう一度わたしの方を見て先生は同じように聞いてくる 決して威圧的にではなく むしろ優しく聞いてきていた


「いまのわたしの意志は変わりません わたしのことをすごく良く見てくださってるのには感謝します」


「美紗緒、先生もこうおっしゃってくださってるんだから もっとじっくり考えてみたら?」


とりあえず頷く… まだ時間はあるんだし ここであまり強固な姿勢を見せても意味はないだろう

わたしは母、先生の顔色を伺いながら今日を収めようと努めた


「うん、まだ考える時間はある 勉強だけはどうにもならんからな、進学したいんなら日頃の勉強は怠らないように」


わたしにそういうと母は先生に大学についていろいろ話しを聞き始めた わたしはボーッとその話しに耳を傾ける

わたしも我が子の時には随分と進路指導の先生に聞いてたこと思い出す わたしは一人っ子だけど わたしの子どもは二人いたんだ どちらも大学受験を経験している なんだかんだ母よりわたしの方が立場的に場数をこなしてるじゃん?なんて思ったりもした

それでも過去いまと未来じゃ大学に関する知識もそれなりに違う それとなく耳に入ってくる母と先生の会話からもその様子は伺えた





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