102話 不器用すぎる
「あのぉ~、わたしはそろそろ部室に戻らせて…」
「重命さん? あなたはどう思う?」
「えっ…?」
この場にいるのがいたたまれなくなってきたわたしは部室に戻ろうと思った矢先に桃香さんに話しをふられてしまった
「え…ど、どうって…?」
「森下くんの態度… 二人きりになって何事かな?って思ったら、『君への気持ちをハッキリさせたいから協力してくれないか?』って… こんなこと言われたらどう?」
「さすがに、それは、自分勝手かなぁ…と」
「そうよね? 好きなら好き、つき合ってなら つき合ってって言うべきことなんじゃないかな?」
そりゃそうだよ、でもそれができない不器用なのが森下先輩であったりするんだから… 桃香さんもそういうとこわかってそうなのに…
ん? だよね? わたしより森下先輩とのつきあいが長い桃香さんなら こういう不器用なとこもわかってるはずだよね…
なにも言えずただしゅんとしてる森下先輩
助け舟じゃないけど わたしの気になってることを桃香さんに聞いてみた
「桃香さんは森下先輩とお友達でいましょうと断ったんですよね?」
「森下くんの言った内容が全てだったとしたらね…
自分の気持ちがわかりたいから、なんて自分勝手な言い分にどうしてわたしがつきあわなきゃいけないの? だったら友だちでもなんでも一から始めるしかないじゃん?」
軽くため息をついて話す桃香さん
なるほど、そういうことか 桃香さんのイライラの原因は!!
だけどそれに森下先輩気づけるのかな…
今度はこっちがイライラするかも?
わたしの微笑みかけにプイと横向く桃香さん
いよいよ、わたしの予想が当たってるかも?




