表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100/119

100話 ふたりの関係



「部長は、僕のことは尊敬してると言ってた 茶道に対する知識も所作もなにもかも素晴らしいって」


ふむふむ、ちょっと前置きから始まるのが気になるな…


「部長としてのわたしの立場をサポートしてくれたり、とても助かってるとも」


茶道部のことしか言わないってのも気になる…


「あなたの気持ちはとっても嬉しいし、ありがたいって言ってくれた」


・・・・・


「だから、これからは茶道部の部員同士じゃなくお友達から始めましょ?と言われた」


・・・・・やっぱり… やんわりだけど断ってるのか…


「これって進展してるんだろうか?」


えっ? も、森下先輩・・・? 本気で言ってんの?


重命しげながさんの忌憚のない意見を聞かせてほしいと思ってね」


ちょっと、これ説明させる? それって酷すぎない?

この後もお茶会あるのに… めちゃめちゃ気まずくなんないかな…


「重命さんの感じたままの意見でいい…」


上目遣いでなにかをねだるかのように見える森下先輩の表情にわたしの胸は締め付けられる

だって、だってよ? わかりそうなもんじゃん?

『ごめんなさい』をわたしに説明させるって、ものすごく【М】なの…? 森下先輩…

まだ大学受験も残ってるんだし やさしく説明したげないとね…


「桃香さんは『お友達から』って言ったんですよね?」


黙ってこくりと頷く森下先輩…


「お友達ってことは たぶん、いやきっといちからってことだと思うんです つまり『ふりだしに戻る』みたいな…?」


ふんふん、と頷きながらわたしの話したことを理解しようとしている森下先輩


「友だちから重ねて行ってどうなるかわからない未来って感じなんだと思うので」


ううう…まどろっこしい…


「つまり、まだしばらくは友だちでいたいってことなのかな?」


なんだか埒が明かないような気がしてきた


「そもそも森下先輩は桃香さんになんて言ったんですか!?」


「もちろん、僕の気持ちをハッキリさせたいので協力してくれないか!だよ!」


・・・・・ 森下先輩は本気なのよね…本気でそう思っててバカみたいに正直に桃香さんに伝えたんだよね… そりゃ桃香さんも返事に困るわ…


「僕はいったい部長のなにに対して惹かれてるのか、そもそもそれはなんなのか、、、」


「はいはいはい、もういいですから! わかりました!! だから桃香さんもああ言うしかなかったんですよ? 知りたいなら友だちからって言うしかないじゃないですか?」


「そういうもんなんだろうか…」



『 そういうことでしょ? 重命さんの方がよほどしっかりしてるようね? 』




ええっ!? その声にわたしと森下先輩は驚いて振り返った!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ