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短編

なるほどこれが親ガチャ爆死

作者: 猫宮蒼

 親ガチャ爆死したって言った時点で親もきっと子供ガチャ失敗したって思ってるよ、とか言ったら不毛な争いになるよな、って思う感じの事を想像した後、じゃあ親ガチャ爆死ってどういう状況なら言って許されるものかなって考えたけど現代が舞台だとどう足掻いても泥仕合になるからファンタジー世界での親ガチャ爆死を目指しました。



 メリアフィールは修道女である。

 元は伯爵家の令嬢として生まれ育っていたのだが、色々あって修道院に引きこもった。


 メリアフィールの実家でもある伯爵家には、メリアフィール以外の子供はおらず、跡取りに関してはどこからか養子を迎えるしかないだろうけれど、それも無理だろうなとメリアフィールはわかっていた。

 だが、結婚に関して絶望的であったからこそ、もうあの家はおしまいだぁ……とどこぞの因習村が滅ぶ直前の村人みたいなノリでもって、メリアフィールは自分の持てる財産を自力で運べるようにした上で鞄に詰め込んで、修道院に駆け込んだのだ。



 メリアフィールは転生者である。

 前世はそれなりに普通の家に生まれて育って、成人してからはとりあえず決まった就職先でコツコツと働いて地道にコツコツと生きてきた。漫画やアニメ、ドラマにありがちな盛り上がるような展開はなかったけれど、それなりに楽しい事も辛い事も体験して、人生を歩んできた。


 朧気に記憶に残る前世に懐かしさがないわけではないけれど、生まれ変わった以上は今を生きるしかない。

 だからこそ、貴族とはなんぞや!? とばかりに慣れない貴族社会に身を置きながらもメリアフィールは必死に生きてきたのである。


 必死に……というと若干大げさだが、まぁ心情的にはそんなものだった。


 それなりに愛されてはいたのだと思う。

 思うのだけれど、メリアフィールは両親の事を愛せなかった。

 むしろあんたらは親になっちゃいけない人種だったと今でも思ってしまう。



 メリアフィールの見た目は悪くなかった。

 両親ともに美形で整った容姿をしていたので、その二人から生まれたメリアフィールもその容姿はすわ天使が地上に舞い降りたか!? と思われる程で。

 性格も、まぁ悪くなかったと思いたい。


 前世の記憶が蘇ったからこそ、ある程度物事の善悪とか、倫理観とか、前世とこっちとの常識の差に悩む事はあったけれど、それでも貴族令嬢として平均的に、問題のない存在だったと思う。


 問題があったのは両親だ。


 あの二人は、馬鹿だったんだと思う。

 親に向かって言ったり思うものではないかもしれないが、貴族としての常識を学んだメリアフィールからすると、両親はどうしようもない馬鹿だった。

 無理矢理悪くない部分を探そうとするならば、もしかしたら原作の強制力ってやつが働いた結果なのかなと思わないでもないんだけど……それにしたってバカだなと思うしかなかったわけで。



 メリアフィールが転生したこの世界は、とある作品の世界だった。

 ただ、その原作はとっくに終わりを迎えている。

 それこそ、メリアフィールが生まれるずっと前に。



 母は、ヒロインだった。

 元は平民だったけれど、母が死んだ時に実の父が迎えに来てくれて、そうして男爵令嬢となった。

 未だ平民だった時のあれこれが抜けきらなかったけれど、それでも貴族となった以上、国の法で決められた学園に通わねばならない。

 元が平民だった事もあって、貴族としての教育は施されたもののまだ不完全で。

 その不完全さが周囲からは物珍しいものに映ってしまっていた。


 そんな中で出会った一人の男性。


 それが、ヒロインにとって運命の出会いだった。


 その運命が、メリアフィールの父である。


 身分の差がありながらもどうにか結ばれた二人。

 結ばれるまでの間に様々な出来事があったけれど、どうにかそれらを乗り越えて、二人は見事ハッピーエンドを掴んだのだ。



 と、言えば聞こえはいい。

 創作物であるならばご都合主義が目に付こうとも、まぁそういうもので済む。


 そう、きっとここまでは、原作の修正力だとか、強制力といったものが働いたのではないか、とメリアフィールは思っている。


 だがしかし。


 原作では二人が結ばれたところでハッピーエンドで終わるけれど、現実世界でもあるここではそうはいかなかった。二人が結ばれた後も時間は流れ、世界は今日も巡っている。


 だがもう原作と呼べるご都合主義たっぷりな不可思議な力は存在しない。


 そうなるとどうなるか。


 待ち受けているのは厳しい現実だ。


 真実の愛で結ばれた二人はそれでもまだ、幸せな状態だったから気付いていなかったのかもしれない。

 けれども二人の周辺。それ以外の人たちは。


 夢から覚めたように、きっと今まで見過ごしてきたものがおかしかったと気づいたのではないだろうか。


 母と結ばれる以前、父には婚約者がいた。

 にもかかわらず母と近しい距離になっていたのだから、婚約者からすればその状況は面白くないだろう。

 やるならせめてもっと人目を避けろとか、そうでなくとも婚約者にもっと配慮をすべきと考えても何もおかしくはない。


 あまりにも人目につくような所で二人、イチャイチャしていたものだから、そうなれば婚約者とて苦言を呈するしかなくなる。節度ある付き合いをしろ、とか、婚約者がいる異性にみだりに近づいてはならない、だとか。

 だが、恋に浮かれたおっぱっぴー共にはそんな常識的な忠告すら二人を引き裂く運命のいたずらだとでも思ったのだろう。


 マトモなはずの婚約者は悪役令嬢に仕立て上げられ、どうにか婚約者からヒロインを引き離そうとしていた彼女はヒロインを虐める悪役令嬢の立場にさせられてしまったのだ。

 恐らくそれも原作補正とやらで。


 大体、婚約者の家の力を使えばヒロインごときあっさりと消す事は可能だったはずなのに。

 それでもちまちまとした嫌がらせを行うだけで済んでいたのは、彼女が思った以上のお人好しだったからか、それともやはりこれも物語の原作補正とか強制力だったからなのか……


 最終的に、物語の終盤で今までヒロインを虐めていたとされる悪役令嬢の悪事が明かされ、婚約破棄を突きつけられ、そしてヒーローとヒロインは結ばれて終わるわけだが。


 物語として見るのなら、基本ヒロイン目線で見る事が多い。

 だからこそ、その場合は身分の差や悪役令嬢からの心無い嫌がらせといったものを乗り越えて結ばれた二人、というハッピーエンドとして見ていたけれど。


 現実的に考えたなら、この話は婚約者がいる相手を奪った泥棒猫の話である。

 そうなるとヒロインの方が余程悪党ではないだろうか。


 物語の中ではヒロインこそが正義みたいに見せられていたけれど、しかし冷静にならずともちょっと考えたら色んな問題しかない。



 二人が結ばれるまでは、世界の力かそれともこの世界の神様パワーかは知らないが、ともあれ二人にとってそれなりに都合のよい展開だったのだと思う。

 だがその補正力とやらが終わりを迎えた後は。


 どう足掻いても地獄でしかない。



 だがしかし、地獄の蓋はまだ開いていなかったのである。

 ただじわじわと、二人は追い詰められていっていたようだけれど。



 元々メリアフィールの父は侯爵家の生まれだった。

 物語でハッピーエンドを迎えた後、描かれていなかったその後を想像するならばヒロインはきっと侯爵家の彼の家で嫁になって侯爵夫人になっていたはずだ。


 だがしかし、原作はそうなる前に終わりを迎えていたので。


 メリアフィールの家が伯爵家である、という時点でお察しだろう。


 メリアフィールの父は、侯爵家の跡取りであったはずなのに、実際に継ぐことはなかった。

 まぁ、家同士で結んでいた婚約を勝手に破棄するようなぼんくらだ。どれだけ本人に御大層な大義名分があろうともやってる事は不貞だし、契約を一方的に破棄するような不誠実な男だ。

 そんなのに家を継がせたら将来的にロクな事にならない、と彼の親が判断するのは当然だろう。

 そうなる前にぶん殴ってでも教育しなおせ、とメリアフィールは思うけれど、世界の修正力みたいなの相手に歯向かえとなると無茶ぶりなので、むしろ手遅れになる前に家を継がせる以外の選択を選べただけでもマシだと思う事にする。


 父と元婚約者の家の政略結婚は、家同士のみならず国にも益をもたらすものであった。

 それを台無しにした時点で、王家にも喧嘩を売ってるも同然である、という事実を果たして父は理解できているのだろうか。


 恋に溺れた者というのはどれだけ優秀であってもその恋が絡んだ時点で知能指数が驚くほど下がるので、もしかしたら気付いていないのかもしれない。恋をしても何も間違える事はない、と言える者ばかりであるのなら、そもそも結婚詐欺もロマンス詐欺も世の中からは存在しないどころかそんな言葉すら生まれていなかっただろう。


 きっと恋をしたらどんな相手であっても人間ならばぽんこつになる遺伝子とか隠しで仕込まれている、と言われてもメリアフィールは否定できそうにない。勿論皆が皆悪い方に進むのではなく、良い方向に向かう場合もあるので恋そのものが悪、とは言えないが。


 だが、メリアフィールの両親に関しては恋をしたことで悪い方向へ進んだのは間違いない。


 伯爵家で育っていた間は知らなかったけれど、修道院に駆け込んで家族との縁を切って俗世からも離れたメリアフィールは、あの家に居た時には知らなかったことをいくつも知った。



 母の実家であった男爵家が最早名ばかりの貴族状態で、いつ没落してもおかしくない事になっているだとか。

 まぁそうだろう。泥棒猫を育て貴族たちの中に解き放ったと言えなくもないいわば戦犯だ。

 物語の範囲の中では素敵で魅力にあふれたヒロインを育てた家という認識だったが、お伽噺の魔法が解けた後、現実的に見ればロクでもない家と思われても仕方がない。


 ヒーローと元婚約者の婚約を台無しにした家、となれば損害賠償だとか色々と負うべき責はあっただろうけれど、弱小男爵家にそれらが背負えるはずもなく。

 周囲の貴族たちは関わりを絶って、社交界からもつま弾きにしてしまえば。


 あとはもう勝手に弱って朽ちていくだけだ。


 ヒーローでもあったメリアフィールの父に関しては、侯爵家を継ぐ事はなく、そのかわりとばかりに実家にあった他の爵位を与えられ、実家が持ってた領地の隅っこも隅っこの方へ追いやられた。

 物語の魔法にやられていたのか、そもそもヒーローとヒロインの恋の成就を祝福してしまったので、今更になってから手のひらを返すのも不自然になる。

 だからだろうか、適当な名目を与えて領地の端っこへ追いやった。むしろそうするしかなかったのだろう。


 まぁ、華々しい王都から遠ざけられてしまったとはいえ、その時点ではまだ二人、結ばれたばかりなのもあって浮かれに浮かれていたから、静かな場所で愛を育めるだとか思っていたのかもしれない。

 別に王都に来てはいけないと言われたわけでもないので、用事があるなら自分たちでそちらに出向けば済む話だ。その距離も、きっと二人で行くのならデートのようだと思ったのだろう。頭の中身がハッピーセットだったのだから。


 ろくに何もないような田舎に引っ込んでいるならそれでよし、わざわざ時間をかけて王都まで出てくるのであったとしても、移動に時間がかかるとなれば数日は仕事もままならない。働かなければ金はもらえないのはこの異世界でも常識で、故に馬鹿みたいに何度も王都に出向くわけにもいかないのだ。

 だからまぁ、仮に王都にやってきて、田舎にはない洗練された品々を見てまぁあれ素敵! なんて思ったところで簡単に入手できるはずもなく。


 物欲が刺激された事でより仕事に励んでバリバリ稼いで使うぞ! というのならともかく、バリバリ働いたところで田舎での収入はたかが知れていた。


 田舎と一言で言うとまるで田舎が金にならない駄目な土地のように思われるが、両親がいた田舎は間違いなく金を稼げないタイプの田舎だった。ぶっちゃけ都会に出稼ぎに来た人の方がまだ稼げるのではないかと思える程に。



 幼かった頃のメリアフィールは一応教育に関してはマトモにされていた。

 母はさておき父は元々そういうのちゃんとされていたから、娘が良いところへ嫁ぐのなら教育の重要性は理解していたのだろう。


 だがしかし。


 両親は知らず王家にも喧嘩を売ったようなものなのだ。

 国益を損なった、と言い切るには微妙なところではあるけれど、まぁそれでも損をさせた事は確か。


 周囲は真実の愛だとかで二人を盛大に祝福していたからこそ、今更手のひらを返して冷遇すると、それやった側もいやお前散々あいつら持て囃しておいて……といった目で見られるので面と向かってはやらないが、しかし夢から覚めたかのような状態になってしまった今、メリアフィールの両親をちやほやする者はもういないのである。


 正直適当な名目でサクッと処分した方がいいような気もしているのだが、しかしそれを実行しちゃうとじゃあお前ら今まであいつらの事認めてたのはなんだったの、と他の誰かに指摘されかねない。

 メリアフィールの両親は、王家含む社交界全体の生き恥みたいな扱いになっていた。

 存在が黒歴史。

 生きた教材反面教師。


 処分した後だと、後の世代に過去の話をするだけで終わるが、生きた教材がいるとなればまぁ、一応多少の抑止力になったりするのかもしれないし……

 両親が果たしてわかっているかは謎だけれど、間違いなく社交界でこの二人は生き恥ダイナミック。

 遠巻きにして関わらず観察するだけの存在。

 目に見えてわかりやすい地雷。

 そんなところである。


 下手に関わって仲良くなっちゃうと、自分の評価まで下がるので。

 両親からぐいぐい行くような相手はいないと思いたいが、いたならそれはそれでぐいぐい来られる側からすれば恐怖だろう。キング〇ンビーみたいな存在かな?



 まぁ、これだけなら別にメリアフィールだって家を捨てて修道院に引っ込もうなどとは思わなかった。

 親が恥ずかしい存在であろうとも、自分はマトモな態度でいれば一応、深く関わらなくても表向き友好的に接してくれるだろう相手はいただろうし。


 だがしかし。


 ある時メリアフィールに婚約者が決まった事が、メリアフィールが家を捨てようと思い始めた原因の一つである。


 両親の存在がアレだけど、でもメリアフィールは美しく嫁に迎え入れるのであればまぁ、彼女の両親と関わる機会を減らせばどうにかなるんじゃないかなぁ……なんて考えたところがあったらしく、婚約の申し込みがされて、両親は相手の家柄を調べた結果問題なしと判断した。だからこそ婚約は結ばれたのだ。


 丁度その頃、メリアフィールも学園に通う年齢になっていたのもあって、学園でそのお相手と仲を深めてこいとも言われていた。学園に通う以前だと相手が住んでる領地とメリアフィールのいる場所とでは距離がありすぎて、中々婚約者としての交流も難しかったのだ。

 学園に通うようになれば、例えば放課後だとか、授業のない休日だとか。

 そういった時間で会って語らうなり、出かけるなりできる。


 当時の思い出でも蘇ったのか、両親があれこれアドバイスをしてくれたのは少しばかりメリアフィールには鬱陶しく感じられたけれど。

 まぁ、婚約者との仲をよりよくするために使えそうな情報は一応頭の片隅に置いておいたのだ。



 ところが。


 学園に入ってから、婚約者とは確かに最初、そこそこ上手くいっていたと思う。


 だがしかし、ある時から婚約者には別の女性が纏わりつくようになった。

 婚約者もまんざらではなかったようで、気付けば子爵令嬢にメリアフィールは婚約者を奪われる形となってしまったのである。


 それについて、抗議はした。


 した、のだけれど。


「ですが、わたくしのした事は罪にはなりませんわ。嘘だと思うのならば、王家に確認してくださいませ」


 しれっと子爵令嬢に言われて、メリアフィールは何を言われたのか理解が追い付かなかった。

 子爵令嬢の身分的に王家と関わる事はなさそうだと思ったけれど、しかしあえて身分をそのままにしてあるワケありの家も存在しているので、彼女の家がそうであるのかもしれない。

 大体、婚約者を奪いとる事を王家が推奨しているはずが……

 などと思いながらも確認してみれば。



 かつて、メリアフィールの母は婚約者のいる男を奪い取った。

 そして周囲はそれを受け入れてしまった。

 原作の強制力だったのだろうとは思うけれど、普通に考えて罰せられるのはメリアフィールの母のはずだ。

 けれどもお咎めを与えられるタイミングは失われてしまった。


 今更のように罰を、としたところで本当に今更すぎるしわざわざ当時の事を穿り返すのも、人によっては心に新たな傷を負うかもしれない。

 本当にお触り禁止案件扱いだったのだ。


 かつての父の婚約者だった令嬢の家とて、娘が虚仮にされたのだからそりゃもう怒り心頭だったのだけれど。

 新手の熱病に浮かされたみたいに周囲が祝福しすぎて、どれだけ正しい事を説いても逆に悪役令嬢の家がまた何か言ってる、みたいに思われていた時期もあったようで。


 原作が終わった後は徐々に周囲も常識が戻ってきたようではあるけれど、それにしたって下手にあの二人に関わってまた熱に浮かされたように真実の愛を賛同し称賛するようになれば厄介である。


 メリアフィールは原作の力なんだろなぁ……と思えるものであっても、転生者ですらないこの世界の住人からすると未知の謎パワー。そりゃまぁ関わらないようにしようとするのが賢い。

 ヒーローの家に損害賠償を持ちかけるのも、ヒロインの家を潰すのも、下手に動いた結果また我が家がやりすぎだとか絶対悪みたいな印象を持たれたらたまったものではない、と思った元婚約者の家は、だからこそ王家に一つ陳情した。


 王家もうっかり二人の真実の愛を劇でも見ているかのような気分で受け入れてしまった事もあって、下手にまた関わって精神汚染でもされたらと思ったのだろう。元婚約者の陳情を受け入れる形として、それをあの二人への罰とすることにしたようだ。いっそ素直に賠償金とか請求されてた方がマシだったかもしれない。


 その陳情とは。


 そもそもヒロインがヒーローを元婚約者から奪った事が発端であるし、しかもそれをあの二人は悪いとも思っていなかった。

 であれば、あの二人にとってそれは常識であると考えてもいいだろう。


 なら、あの家に限り、婚約者を奪われるような事になってもそれは問題にならない、という事にしてほしい。


 それが、メリアフィールの父のかつての婚約者だった家からの望みだった。

 ちなみに流石に高位貴族がそれをやる事はない。やっても罪にならないのは、かつてのヒロインと同じく身分の低い家の娘のみ。


 その頃には既に二人の間にメリアフィールが生まれているのは社交界でも知られていたので、つまりメリアフィールの婚約者ができた時、そんな彼が素敵、となった場合、子爵家、男爵家といった低位貴族の令嬢は奪ったとして罪にはならない、というわけだ。

 奪われたなら奪えばいい、とか何かのセリフであったような気がしたが、その事実を知った時メリアフィールは思わず「ハンムラビ法典かな……?」と呟いてしまったほどだ。


 目には目を、歯には歯を、婚約者を奪う女の娘からは婚約者を奪えばいい……ってコト……?


 まぁ確かに理に適って……いるような気がしなくもない。実際理に適ってなかったとしても、何か天秤は釣り合ってるように思えてくるのが不思議だ。


 そもそも今更メリアフィールの母から父を奪ったところで、侯爵家跡取りだったものの伯爵になった挙句国の中枢とか華々しい場所での仕事があるでもない、見た目以外で他に何か取り柄ってまだあった? みたいな男とか、ある程度の年齢になってから奪うにしても一体誰得だというのか。

 ナイスミドル通り越してナイスシルバーが好みです、みたいなお嬢さんがいるならともかく、それでも正直微妙すぎる。将来的に金があるとか老いてなおその優秀さが留まるところを知らないだとか、そういうのがあればまだしも頭の中身がお花畑であると思われているような相手だ。


 見た目だけならそもそも遠くから観賞するだけでも充分なわけで。


 あえて今、ヒロインからヒーローを奪おう、とか思う者はそもそもいない。出世コースから外れた男とか、家の繁栄考えたら大抵の貴族の家ではお断り案件である。

 だからまぁ、同じようにヒロインから男を奪って当時の婚約者だった令嬢の気持ちを分からせてあげよう、とかそういうのは現状無理。


 なので、親の因果が子に報い、とばかりにメリアフィールの婚約者が奪われる流れになったのだろう。メリアフィールからするとただあの両親から生まれてしまっただけでとんだとばっちりである。

 少なくとも自分は略奪愛とかちょっとな、と思っているので余計に。

 でもその略奪愛をしでかしたのが両親であるという事実。なんだここは地獄か? とか思うのも無理はなかった。



 メリアフィールがかつての父の婚約者だった令嬢のようにポッと出の女に自分の婚約者を奪われた、という事実に彼女の母が当時自分がした事の罪深さに気付けばよかったのかもしれない。

 けれどそうではなかった。

 あんな不誠実な男、別れて正解だったわ! とか慰めにもならない事を言い出したのである。


 それ言ったらあんた、自分の夫が一番不誠実だよ、とメリアフィールは口に出さなくとも目で訴えていたが母が気付いてくれる事はなかった。



 メリアフィールが家を出ようと決めたのは、恐らくここが最初だ。


 原作というかつての若気の至りで自分たちがした事を、今になって目の前に突きつけられて自分たちがかつてやらかした事がどれだけのものだったのか、とかそういうのに気づいて悔い改めてくれればもしかしたら、元婚約者の家も多少留飲を下げてくれたのではないかな、とメリアフィールは思ったりもしたのだけれど。


 こいつら今回の件と自分たちとは別物だと思っていたのである。


 あかん。駄目だ。


 何かもう何いっても通じる気がしねぇや……とメリアフィールが内心で匙を投げたのもこの時である。


 その後、実はもう一人、メリアフィールの婚約者に、と名乗りをあげてくれた令息がいたのだが、今度は男爵令嬢に奪われた。


 子爵家や男爵家といった低位貴族の家は、高位貴族に比べると政略結婚というものは滅多にない。

 家の借金肩代わりするから代わりに嫁をくれ、とかそういう感じの嫁入りは時折話に聞くけれど、大抵は学園で出会った相手との恋愛結婚が多かったりする。

 学園を卒業した後、優秀な相手は職場で相手を見つける事もある。

 特に異性との出会いもなさそうな職につく女性は後はもう平民とか同じく出会いがあまりなかった相手との見合い結婚になったりもする。


 いいな、と思った相手に婚約者がいるかどうかを調べるのは勿論だが、メリアフィールの婚約者は低位貴族なら奪っても罪にならない、というのはつまり、いいカモなのである。

 普通に考えたら婚約者のいる相手を奪うのは勿論アウトだ。けれど、メリアフィールの婚約者は奪っても問題ないとされているとなれば。

 彼素敵だな、婚約者いるのかしら、それとなく探ってみなくちゃ、とか思ってたらその婚約者がメリアフィール。成程奪っても問題ないって事ね! となるガッツのある令嬢がいてもおかしくはなかった。勿論相手がメリアフィール以外の令嬢だったなら、奪おうなんてしない。

 王家も罪に問わないとしているからこそ、欲しいなら相手を手に入れるために行動に移るのみだ。



 ちなみに学園にいる間、メリアフィールが婚約者を奪われた回数は三回である。


 そんな簡単に奪われるような男と結婚しなくて良かったね、という慰めは最早慰めにもならない。

 メリアフィール自身に問題はないけれど、いかんせん両親に問題しかない状態だったので、嫁に来てくれるにしても、あの両親に育てられてるって事は後になってとんでもない問題が出てくるかもしれない……と婚約を申し込んだ令息たちは多少なりとも懸念を抱くのである。

 そこに、特に瑕疵のない、両親や近しい親族にも問題のない相手がアピールしてきた事で、彼らはそちらを選んだ。


 婚約者のいない令嬢に婚約を申し込むにしても、まず相手の有無を確かめるところからとなると令息側もそれなりに大変なのだ。


 なので、確実に今婚約者がいないメリアフィールに婚約を申し込めば、もしかしたら他に自分の事をいいなと思った令嬢がやってきてはくれないだろうか、と――まぁ酷い言い方だが令息たちはメリアフィールを利用したと言ってもいい。

 もし他に誰も令嬢が近づいてこなかったとなっても、その場合はメリアフィールと結婚すればいいだけの話。

 他の令嬢に奪われる結果になっても令嬢も令息も罪に問われないとなれば、より良い相手を選ぶのは当然の話で。


 当て馬にされてるメリアフィールからすればたまったものではないけれど、しかし原因は彼女の両親にあるので文句はそちらに言ってほしい。社交界じゃ未だに語り継がれている伝説ですらあるので。

 令嬢も令息も、メリアフィールを利用する事に特に良心の呵責などなかったのである。


 メリアフィールからすれば、自分を基点にしたマッチングアプリじゃねぇんだぞ、という気持ちでいっぱいだったのだが。


 三人も婚約者を奪われたとなれば、いくら問題に問われないとなっても流石にメリアフィールだって心が傷つくし、仮に四人目五人目も奪われるかもしれないとなれば、もう正直下手に婚約者を作らない方がマシとなってくる。

 どうせ奪われるんだろうなと思って適当な相手と婚約したものの、誰も奪いにこなかった場合は結婚する事になるのだろうけれど、どうせ奪われるんだろうし、で適当に決めた相手と特に交流もしないまま結婚はメリアフィールだってマズイと思っている。


 素敵な相手だったら奪われるし、そうじゃなかったら結婚とか売れ残り処分じゃないんだぞ、と言いたい。

 それ言ったら一番の不良債権はメリアフィールになるので言わないけど。


 両親に至ってはこの段階でも「いずれ素敵な人が現れるわ」とか「きっと運命の相手が見つかるさ」とか、気休めにもならない事しか言わなかったし。

 学園の長期休みで寮から帰省しないといけない時がとても憂鬱になってきたのも仕方のない話だった。


 実家が田舎だったのもあって、帰省した時にそこそこ売れそうな物を学園に戻る時に持っていって、王都で持ち運びしやすい金貨や宝石にかえて、それを修道院に行く際の資金にする、と決めてからは帰省もそれなりに苦じゃなくなっていたけれど。



 どちらにしても、メリアフィールにいいお相手ができればそれを奪おうとする令嬢が出てくるとなれば、もう婚約者なんて……となるのも当然の話で、しかも両親は自分たちが奪う側にいたからか、奪われる側の気持ちをこれっぽっちも理解してくれない。


 特に父に関してはそこまでお馬鹿さんだったっけ? と思春期もあったからか、やたらと嫌悪感が凄かった。母に関しては最初から駄目だこの人、と思う事もあったので今更すぎたのだけれど。



 学園を卒業したら、そのまま実家に戻らず修道院へ行こう。

 そう判断したのは、母親がお花畑全開な発言をしたからでもあった。

 三人。

 三人である。

 奪われた婚約者の数が。

 それを鑑みてくれたというわけでもないが、それならお母さんが素敵な男性見繕っちゃうね☆ とばかりに相手を選んだらしいのだが。


 確かに顔は良かった。母親の好みの顔をしているとメリアフィールですら思うくらいだ。

 母が学生だった時代に彼もまた普通に学生として存在していたのであれば、そして父と結ばれることがなかったらこっちとくっついてた可能性もありそうだな、と思うようなツラ……ではなくご尊顔をしていた。


 だがしかし、そいつの中身は最悪であると学園でも評判の男だった。

 この時点でメリアフィールは悟った。


 あ、母って父の事も顔だけで選んで婚約者から奪ったんだな、と。


 たまたま、そう、本当にたまたま父はそれなりにマシな人間性をしていたかもしれないからどうにかなってるだけで。いやもうこの現状だと何言ったって説得力はないのだけれど、それでも母が彼なんてど~ぉ? なんて言い出した時点で、自分の相手よりロクでもねぇのを勧めてくるなよ、と面と向かって言わなかっただけメリアフィールは我慢した方だ。


 もしくは。


 もしかしたら母は、自分が選んだ男が実のところロクでもない、と気づいて、だからこそなのかな、とも疑った。


 自分より幸せになるのが許せないタイプなら有り得るかもしれない。

 素敵な男性だと思っていたけど、でも今になって思えばロクなものじゃなかったわ……なんてとても今更のように気付いたとして。

 もしそうなった時、自分の娘が自分の夫よりも素敵な男性を捕まえたとなったとして。


 果たして素直に祝福できるか……ちょっとメリアフィールにはわからなかったのである。一応自分の母親であるくせに。


 見る目がないのか娘を幸せにしてなるものかと無意識にでも思っているのかはこの際どうでもよかった。


 ただ、仮に見合いをして即お断りしたとして、母が無理にでも彼との結婚を進めようとするだとか、次の相手を見つけてくるかはどちらにしても激しくギャンブルみがあった。

 仮に母がお勧めとかのたまった男と婚約したとして、間違いなくアレは奪われる気がしない。むしろ不良物件が片付いたとか周囲が胸をなでおろす感じですらある。冗談ではない。


 念には念を押して自分の意思を伝えたけれど、不安はあった。


 流石に学園に在籍している間に結婚してしまいなさいよ、とはならないだろうけど、卒業と同時に戻って、そしてそこで結婚相手が待ち構えてた、とかそういうとても嫌なサプライズは想像できてしまったので。


 メリアフィールは卒業と同時に貴族の籍を抜いて、実家に戻らずさっさと修道院に逃げ込んだのである。勿論その時にはきちんと修道院でそれなりの扱いをされるための資金だって用意してあった。



 父のかつての婚約者の願いによって、メリアフィールから婚約者を奪う事はメリアフィールより身分が低ければ罪には問わないとなってしまったけれど、平民になってさえしまえばもう男爵令嬢やら子爵令嬢が自分から婚約者を奪う事はできなくなる。平民より身分が低い相手、となると後はもう犯罪者や奴隷といった存在になるしかないので。

 仮にそうならなかったとしても、平民から結婚相手を奪うような事をすれば流石に醜聞が過ぎる。

 お互いに貴族同士であるならまだしも、メリアフィールが平民になった以上は、平民からでも相手を奪わないと結婚さえマトモにできない令嬢、といった噂が立ちかねないからだ。


 修道院では自分の生い立ちから語って、両親が悪いのはわかるけど、それで被害を受けるのが私だけというのに嫌気がさしたと嘆いてみれせば、シスターたちはそれなりに同情してくれた。


 事の発端というか元凶はあくまでもメリアフィールの両親であって、彼女が悪いわけではない。

 生まれてくる子は親を選べないというが、まったくその通りであった。



 ともあれ、学園を卒業したはずのメリアフィールがいつまでたっても家に帰ってこないとなって、両親が捜索のために人を雇ったりしてメリアフィールを探し回ったらしいけれど。


 見つかったところで既に貴族籍からは抜けた以上家に連れ戻されることもないだろう。

 母がメリアフィールに婚約者にどうか、と勧めてきた男性がその後どうなったかは知らないが、既に平民となった女と結婚するとなればそれなりに醜聞にもなろう。というかそもそもメリアフィールの両親とも縁付く時点でロクでもないわけだが。



 本当だったら。


 もっときちんとお互いに話し合うべきだったのかもしれない。

 けれども、話せば話すだけメリアフィールばかりが疲弊するような状況では、それすら無駄だと思うのも仕方がない事で。

 仮に話し合いを始めたところで、最終的にメリアフィールが疲れ果ててもうどうでもいいや、と両親の言う事を受け流しつつ人生を諦めるか、はたまた途中でブチ切れてメリアフィールが両親をぶち殺すかの未来が待っているような気がしたのだ。

 流石にそこまでいかずとも、どこか途中で妥協点が見つかるかもしれないが、そうでなければ最終的にそうなるのではないか……と。


 であれば、お互いの身の安全を確保するために――というよりはもうひたすらにメリアフィールは己の保身に走ったのである。


 このまま貴族でいるよりは、いっそ俗世から離れて暮らした方がマシ。



 実際その読みは正しかった。


 少なくとも修道女となれば結婚とかそういうのは気にする必要もないし、いないのであればこれ以上婚約者を奪われることもない。


 社交界の面白おかしく広がる噂話に巻き込まれることもない。

 もしかしたら今頃色んな噂が飛び交ってるかもしれないけれど、既に社交の場から遠のいたメリアフィールからすればそんなものは知った事ではない。


 両親に対しては……まぁ、昔のツケが今になってやって来ただけだ。

 この人たちのやらかしのせいで、メリアフィールはしなくてもいい苦労をする事になったも同然なのだから。



 修道女になって俗世から離れ、慎ましやかに生きていたメリアフィールの耳にちらほらと届いた噂から、今更のように両親は苦労をしているらしいと知ったけれど。


 それを聞いても特に何も思わなかった。


 抗えない運命と言う名の原作に振り回されたと考えれば可哀そうな気がしないでもないけれど、それが終わった後もお花畑だった部分を思うとそこまで同情もできなかったのだ。


 まぁ、でも。


 一応、仮にも両親なので。


 修道院から神に祈りを捧げるくらいはしてもいいかな、と思わないでもない。

 まぁ、普段のお祈りの合間にちょっとだけ、くらいではあるが。


 あの二人なら、メリアフィールがいなくても二人で勝手に幸せになるんじゃないか、なんて思う部分もあるし。真実の愛で結ばれたのならば。

 きっと今回の事だって乗り越えられるんじゃないだろうか。


 ……既にヒロインでもヒーローでもなくなったあの二人に、果たしてそれだけの力があるかはわからない。

 とはいえ、既に家を出たメリアフィールにできる事と言えばやはり祈るくらいしかないので。


(どうかあの二人が末永く健やかに過ごせますように……)


 そんな風に、今日もメリアフィールは祈りを捧げるのであった。

 話せばわかるとは言うけれど、話し合えば必ずしも分かり合えるわけではないからね。仕方ないね( ◜ᴗ¯)


 ※追記

 なんか忘れてるなと思ったらあれだ。

 この婚約者を下の身分であれば奪い取っていい、っていうのが元婚約者の復讐なのでこれ以上やったら流石にやりすぎって周囲からも言われるってのは一応作中でほのめかした気がするんですが、感想欄見て書き足してなかった部分思い出したのでここでそっと追記しておきます。

 メリアフィールの婚約者に名乗りをあげた男性と奪った令嬢は基本仕込みです。何かそっちの方面のざまぁ望んでる人いたから思い出したけどこっち仕込みなんでむしろ復讐に手を貸してる側なんですよね。

 作中でメリアフィールを基点にしたマッチングアプリじゃねぇんだぞ、って本人が思ってるけど、実際まさにそれ。ただ作中でメリアフィール本人がそれに気づくことはないので真相は明かされてません。


 元婚約者の復讐はかつて婚約者だった男よりも奪った女、ヒロインに向けられてるので、自分の子が同じ目に遭わされて昔自分が何をしたか、気付いて後悔してその後ちょっとでも反省すればそれでよし、って元婚約者の家は思ってましたが、元ヒロインは圧倒的図太さとお花畑でノーダメージ。むしろ元婚約者だった男の方がうっすらと自覚してるまである。

 ちなみにもしヒロインが反省して悔やんでいたなら元婚約者も留飲下げてメリアフィールにそれ以上手を出すつもりもなかったし、なんだったら裏でこっそりいい縁談持っていく程度には人の心があったけどヒロインが……ノーダメージすぎたので……(´・ω・`)

 まぁそこ含めての親ガチャ爆死なんですが。

 いい縁談持ってくつもりだった場合は、実家と縁切れる感じにするつもりもあったけど流石にこの状態で縁談持ち込みは逆に不信感しかないのでメリアフィールを家から脱出させる方向に密かに誘導もしてました。作中にはないけど。

 なんか元婚約者の家未だにヒロインたちの家潰せないとか無能か? とかもあったけど、そもそもやられた事に対して今復讐した場合「今更!? どんだけ根に持ってんのよ!?」と社交界でも言われるし、そもそも復讐に自分と同じ目に娘が遭ったら、を想定してそう仕向けたのでこれ以上の復讐は逆にやりすぎって言われるんですよね。潰そうと思えば潰せるけどあえて潰さず自滅狙いが大きい感じですかね。以上追記でした。


 次回短編予告

 魔女が出てくるタイプのおはなし。

 呪いじゃないよ! 祝福だよ!!

 時として悪意より善意の方がどうしようもない感じのやつ。

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理不尽だけどまぁ所詮復讐だからね······ 完全に理性的にできることなんてまずないし、 娘がまともっぽいからといってそこに手を差し伸べなきゃならない理由もない 元婚約者側が悪かったとすればアホ二人に…
自分本位の人間に反省を促すために、子に報いを与えてもノーダメージなのに気づかない元婚約者の家。 しかも3回。 更には4回目はヤバい相手を見繕おうとする元泥棒猫。 これは意味がない事をしてんじゃね?って…
まさしく「親の因果が子に報い」ですね。 私の性格だと同じに目に遭ったなら終わりが処刑だとしても「王家含めて」罵詈雑言を吐く自信があります。この状況なら死んだ方がマシや(と、理由がわかる年頃になった時に…
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