詩 箱の中にあるだけの幸せR2
(生まれた時に、私に与えられた小さな箱)
(人より小さいけれど、ちゃんと中身が入っている)
(どうやって開ければいいのだろう)
この幸せは見えている
どんな色をしているのか
どんな形をしているのか
見えているから 分かっているのに
触れられない
手に取れない
すぐそこにあるのに
あるだけだから
一周まわって憎らしい
本来はきっと愛おしいもの
慈しんでやまないもの
だけど私には 手に入らない
箱の中にあるだけの
そこにあるだけの幸せだから
(箱を開けるための道具がない)
(箱を開ける方法も分からない)
(この箱は、ずっとこのままなの?)