冬の妖精はみんな冷たい
冬を彩る妖精は
みんなどこか少し冷たい
北から駆ける妖精は
触れる間もなく走り抜けるし
六花咲かす妖精は
触れることさえ許されず
蒼い氷の妖精は
触れる箇所から痛みが伴う
あなたと仲良くなりたいなって思うけど
彼女たちはどこまでも冷たい
妖精たちのつれなさ加減に
一人落ち込んでいると
少し哀れに思ってくれたか
ひげの立派な将軍が
仕方なきことと無表情のまま
遠くを見つめて一人呟く
『あれらのこころが温まっても
そなたの傍はいられぬよ』
――溶けて消えてしまうからの
そう言い残して
振り返らずに去っていく
そんな将軍の残した風が
ほんのり暖かかったのは
気のせいなのか
優しさなのか