図書館で借りた本が酷かった件について
突発的エッセイです。
図書館で本を借りたのですが、失敗しました。
ちゃんと中身を読んでから借りるべきでした。
題名とパラパラっと捲った感じで、OK出した私のミスです。
借りた本の題名は「地図で旅する 永遠の都ローマ物語」です。
版元は西村出版。
作者はおフランスの漫画家らしい、ジル・シャイエさん。
私はローマ帝国愛好家ですので、この手の本が好きなのですが、この本はなんか違う。
ちょっとした画集ぐらいの大きさで、沢山のローマの街並みのイラストや、現存する遺跡の写真が載っていたので借りてみたのですが、これが酷かった。
酷いと言うのはフェアではありませんね。
期待外れと言うべきで、予想していた内容と全く違うものだったのです。
私が予想していたのは、イラストと写真により古代ローマ帝国の首都であったローマを、分かりやすく解説してくれている本です。
バンドデシネの本場の漫画家らしく、イラストは精緻で素晴らしいも出来ですし、使われている写真も質が高い。初見の写真も沢山ありました。
そこに文句はないのですが、問題は文章です。文章が大問題。
タイトルと私の説明で、この本がどんな本か想像できるでしょうか。
普通であれば、古代ローマを写真やイラストを使って解説する本だと思うじゃないですか。
でも違うんですよ。
いや、完全に解説本ではないとは言えませんが、この本を解説本と呼ぶには大きな抵抗があります。
その最大の要因が文章です。
文書がですね。なんと小説なんですよ。小説。物語なんですよ。
(。´・ω・)?
何言ってるのか分からないかもしれませんが、事実です。
例を挙げます。
コロッセウムの場面を抜粋してみましょう。
ローマと言えばこれですよね。
剣闘士たちが命懸けの試合をしていたという、円形競技場の事です。
試しに、ここの下りを読んでみましょう。
第十章 コロッセウム
真剣勝負が始まる。手足はこわばり、心臓が止まるほど緊張する。平民たちは見事な闘技よりも血生臭さを求めて絶叫する。最初の傷がつくと熱狂的な歓声が上がる。
「打て」
「のどを切れ」
「持ちこたえているぞ」
殺人者に向けられた品のない叫び声があちこちから起こり、私は嫌悪感を覚えた。
ローマ帝国のいたるところ、闘技場で剣闘士たちは死んでいく。
トラヤヌス(皇帝)は狂喜する民衆の前で、一万人もの剣闘士を戦わせていた。
一部抜粋
・・・なんじゃこりゃ。(。´・ω・)?
全部がこんな乗りなのです。
第一章から最終章の第二十章に至るまで、フラウィウスなる架空の人物から見た、都市ローマが描かれているのです。
これはこれで、面白い試みかとは思いますが、普通の学術的解説を期待していた私には、不必要な演出でした。
いや。普通に解説してよ。普通に(/・ω・)/
文章の中に、重要なデータをちりばめているので、解説にならないとは申しませんが、意識が物語の方に引っ張られるって。
そしてなにより、物語が面白くない。
作品内に下手にローマについての説明を入れるので、小説としてのテンポが悪く読みにくい。
どこかの誰かさんの、風景描写を読んでいる気分ですよ。
試みとしては面白いとは思いますけど、わざわざ翻訳するほどのもんかね。
アイデア倒れのような気がしてなりません。
うーん。
折角借りたので、最後まで読むつもりですけど、結構な苦行になるかもしれません。
図書館で借りる時は、しっかりと中を確認してから借りないといけませんね。
いや、この構成は予想外過ぎますけど。
久しぶりに、大外しいたしました。
良い所を上げるとすると、ニッチな内容の割に売値はリーズナブルですね。カラーイラストと写真を多用して200ページの分量で、お値段税別¥2.800はお買い得かも知れません。
いや、買わないけど・・・(;´・ω・)//
終わり
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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