異世界行く前に女神と会話してるだけ。
目が覚めたら真っ白い場所にいた。たしかトラックに轢かれそうになっていた子供を助けようとして…そして…
「テンプレートなお目覚めありがとうございます!いらっしゃいませ!転生者様!」
真っ白な空間に、羽の生えた女性がふわりと現れた。なんかギリシャ神話に出てきそうな女神みたいな。
「大正解です!私女神なんです!えっと、ギリシャ神話の女神って羽とか生えてましたっけ?」
僕の心の中を読まないでほしい。
「とゆことで異世界連れて行きますね!」
「どういうことですか」
「トラックに轢かれて死んだら女神でてきて転生ですよ?なろう小説読んだことないんですか?」
なんなんだこの女神。
「なろうは少しだけなら読んだことありますが…。話がサクサク進みすぎて頭がついて行けないんですよ!!」
「大丈夫です!異世界行ってもらうだけなので!あとはすっご〜いスキルやらなんやら付けてあげますので!平凡に暮らすと言いつつ最強発動したり、やれやれって世界救うのも良し!さあさあ!」
バサバサと翼を広げ笑顔で腕を引っ張ってくる
いやいやいや!!!!説明が全部雑!!!!
ちゃんとどんな世界なのか説明してくれ!!!!
「最近の子は説明しなくても異世界いってくれますよ?」
だから心の中を読むな!!
このあと僕の必死の抵抗により、説明してくれる事になった。
⭐︎★⭐︎★⭐︎★
異世界は完全ランダムで、ファンタジーゲームのような世界だったり魔族が支配してたり、色々だそうだ。
スキルの方も何がつくかもわからないが異世界でも死なないようにはしてくれるらしい。
「いや、どんな世界かもわからずどんなスキル使えるかもわかんないなんておかしくないですか?」
「いや〜、最初は転生者様に決めてもらえてたんですけど取締役が変わってからはランダムになって…」
ばつが悪そうに頬をかく女神。
取締役って…?
上の命令には何もできないってやつか…?
「そうそう、それそれ」
「心の中読まれてももう突っ込まないぞ。
まあ、このまま話を続けても仕方ないしな…」
「お!じゃあ異世界行きますか!」
そんな軽いノリでいくところか?
女神は僕の手を握り、呪文の様な言葉を唱えると背後に黒い渦が出てきた。
「はい。ここに飛び込んでもらえたら異世界いけますよ」
「先が見えなくて怖いんですが」
「後ろから押してあげますから」
僕の背中に周り、身体をぐいぐい押してくる。
「押すなよ!?押すなよ!?」
「フリですか?」
「違う!!!!」
「あぁ、お別れになりそうなので聞きますが、」
女神がバサリと羽を広げながら問いかける。
「どうして貴方は女の子なのに、自分のこと僕って言うんですか?」
「そりゃ…女口調で行ったら…、
乙女ゲーの世界で悪役令嬢になっちゃうからだよ。」
「なんだ、なろう小説詳しいじゃないですか。」
おわり。