表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/389

84話・報告

 僕たちが話している間に、捕縛は、バレッタさんが済ましてくれた。


「それじゃあ皆、上に戻ろうか。あ、バレッタさん変わります。」


「すみません、ノーリ君。お願いします。」


 斧使いは、気絶しているので、そのまま背負い、皆で、転移版で地上に戻る。地上に戻ると、事情説明をする為に、4人でそのまま冒険者ギルドにむかった。バレッタさんは、警邏(けいら)隊の人に斧使いたちを引き渡すと共に、説明をかねて少しの間別行動になっている。

 今は、マリヤさんに連れられ、奥の部屋で、ギルドマスターのグラディウスさんらに、ダンジョン内で起こった事の報告をしていた。報告をし終えると、


「そんな事があったのね… マリヤ、すぐに詰め所にいって、その冒険者たちの確認とその他もろもろもお願い。」


「分かりました。」


 そう言って、マリヤさんは部屋を出ていった。


「それにしても、大変だったね。一応、その冒険者たちの処遇はこちらでも調べた後、決めさせて貰うから今日は、帰っても大丈夫よ。」


「分かりました。後は、お願いします。」


「任せて。」


 僕たちが、ギルドを後にするとギルド前には、既に、馬車と一緒に、バレッタさんが待ってくれていた。

 僕たちが、馬車に駆け寄ると、


「この度は、すみませんでした!!」


 いきなり、バレッタさんが、僕たちに頭を下げてきた。


「ど… どうしたんですか、バレッタさん。頭を上げて下さい!!」


 周りの冒険者だけでなく、道行く人も何事かと見てくる。僕は、慌ててバレッタさんに頭を上げて貰う。


「急に、どうしたんですか?」


「今回の件は、完全に私のせいで起こってしまいました。ですから、いかような処罰でも、受けますので、仰って下さい。」


 バレッタさんは、申し訳なさそうに、そう言ってくる。僕は何となくだが、今回の経緯に気づいている。だけど、後ろをチラッと見てみると、3人は何事か分かっていないような様子だ。


「…シャーロットはどう? バレッタさんに処罰を与える?」


「なんで、今回の件が、バレッタのせいなんですか? 悪いのは、全部あいつらですよ!! だから、バレッタを罰するつもりはありません。」


「そうだね。アネモスはどう?」


「私も、バレッタさんのせいではないと思いますので、特に罰を与えるつもりは、ありません!!」


「ソフィアはどう? 今回、怪我したけど?」


「確かに、怪我したけど、バレッタさんのせいじゃないよ? それに、回復薬で治してくれたもん。」


 そう言ったソフィアの頭を僕は、優しく撫でる。


「だ、そうですよ、バレッタさん。皆こう言ってますし、僕も、今回の事全てが、バレッタさんのせいではないと思いますよ…」


 何かあると分かっていて油断していた僕にも、非はあるしね。


「だから、今回の件で、そこまで気にする必要は、ないですよ。」


 バレッタさんは、少し微笑んだ後、


「ありがとうございます!!」


 そう言って、また頭を下げた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ