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閑話・妹

 お兄ちゃんが、帰ってきた。

 今日は昨日よりも、疲れきっているように見える。


「お兄ちゃん、おかえり!!」


「ん… あぁ、ソフィアただいま。今日は疲れたから部屋で休んでいるから、何かあったら起こしてくれ…」


「はーい!!」


 お兄ちゃんは、部屋に戻る。私は、心配になったので後ろからついていくと、部屋に入って早々着ていた鎧を脱ぎ、そのまま、布団に倒れこみ眠りについていた。


「お兄ちゃん…」


 お兄ちゃんが冒険者になって、もう一月近くがたった。

 最初は、なんでそんな危ない仕事をするのかと思った。それが気になり、直接お兄ちゃんに、聞いたりもしてみたが、いつも頭を撫でられ、笑いながらはぐらかされる。頭を撫でられる事はとても嬉しいのだが、やっぱり心配なのに変わりはない。

 ポリーナおばさんやダニールおじさんに聞いても、答えは返ってこない。だけど、お兄ちゃんとポリーナおばさんやダニールおじさんとの会話やお金を渡している場面を見てしまい小さいなりにも何となくだが理由が分かってしまった… そう、私のためだ…

 私なんかの為に、無理しないでと思う反面やっぱり嬉しかった。

 そんな頑張っているお兄ちゃんに辞めてなんて言えなくなってしまった… だから、私は何があっても絶対にお兄ちゃんを支えると心に誓った。

 その為に、苦手だった勉強も頑張っている。最近では、お兄ちゃんの休みの日に一緒に勉強するのが楽しみだったりしている。

 お兄ちゃんが、寝たのを確認してからポリーナさんの手伝いにむかった。最近では料理の腕もメキメキと上がっている。ご飯の準備を終わったので、お兄ちゃんを起こしに行こうとすると、


「ソフィアちゃん、ちょっと待って。」


 ポリーナおばさんに止められる。


「何ですか?」


「今日は、ノーリを休ませておやり。」


「どうし… いや、分かりました…」


 確かに、お兄ちゃんは、いつも以上に疲れきっていた。

 その後は、3人でご飯を済まし、後片付けを手伝い、部屋に戻る。

 お兄ちゃんを起こさないように、今日の勉強を終わらせ、お兄ちゃんの寝ている布団に入る。

 本当は、ポリーナおばさんたちは新しい布団を買ってくれようしていたけど、お兄ちゃんに内緒でこっそり辞退しておいた。理由は、私の心の中だけの秘密。

 だから、この部屋には、布団が1つしかない。だからいつも、一緒に寝ている。今日もお兄ちゃんを起こさないようにすっと抱きつき、眠りに着いた。

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