75話・ヤバすぎる侍女
僕たちは5人で臨時のパーティーを組んで、ダンジョンへむかうことになった。
バレッタさんが、装備品(何だか高価そうな杖やローブ類)を取って来たようで、シャーロットたちが装備し、ダンジョンへむかう。シャーロットたちが乗ってきた馬車は、庭に置いておく事になった。馬車に乗れない事はないのだが、ダンジョン前に馬車を置いておくと邪魔になってしまうのが理由だ。
だから、僕たちは今、話ながら歩いてダンジョンへむかい、到着した。到着した僕は、僅かに、体を震わしていた…
なぜ僕が、体を震わせているのかというと、僕たちの後ろに控えているシャーロットの侍女… バレッタさんが原因だったりする。
その原因は、家を出て半分ほどの道すがら突然起こった。
少し前くらいから、物陰からこちらを覗く不審な気配を察していた。特に何事もないけど、シャーロットたちに悟られないように、警戒だけはしていた。
すると、突然僕たちに迫った来たので、バッと振り返ると、ゴキッと微かな音と共に顔の厳つい男の首に腕を回した状態のバレッタさんがいた。
「どうしたの、ノーリ?」
「どうかしましたか、ノーリさん?」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
僕が振り返ったのが気になったのか、3人とも僕が振り返った方を見る頃には、バレッタさんは、歩いて時にいた場所に戻っていた。見ていた筈の僕の目にも、動いた瞬間が、見えなかった。
「あれ? 誰か倒れてますね?」
シャーロットがそう言うと、すかさず
「たぶん、酔っぱらいでしょう。気にせず、ダンジョンへむかいましょう、シャーロット様。」
と、バレッタさんが返した。
「そうなんですね。時間も限られてますし、行きましょうか皆さん。」
「そうですね。」
「うん!!」
「ソウダネ…」
などのやり取りが、3回ほど起こったりした。内1回は、複数人だったのにもかかわらず、皆が振り返るまでに、全員が地面と一体化していた。改めて、バレッタさんが、シャーロットの侍女兼護衛である事を納得した。体を震わせながら…
「そ… それじゃあ、ダンジョンには、道すがら決めた通り、僕を先頭に、アネモス、ソフィア、シャーロット。バレッタさんは、一番後ろをお願いします。」
「はい、大丈夫です!!」
「うん、分かった!!」
「私も、大丈夫です、ノーリ。」
「了解しました。後ろは、お任せ下さい。」
あんな事があったので、今では頼もしい限りだ。
「それじゃあ、行くよ、皆!!」
「「はい!!」」 「うん!!」 「了解です。」
こうして僕たちは、ダンジョンへ入っていく。