73話・招待
準備を終え、2人で家を出ると門の前に見知った人たちが立っていた。
「シャーロット、それに、アネモスさんにバレッタさんも、どうしたんですか?」
僕は、慌てて門を開ける。
「今日は学園が休みなので、アネモスさんもお誘いして、ノーリさんの家を見に来ました!!」
そう言えば、この前あった時シャーロットに引っ越した事伝えたっけな。
「でも、今からお出掛けですか?」
「うん。ちょっと、ソフィアとね。」
「そうですか…」
何だか、シュンとしている。
「お兄ちゃん。私は、大丈夫だから、シャーロットさんたちに家を見せてあげて?」
「ソフィアちゃん、いいの?」
「うん!!」
「ありがとう、ソフィアちゃん!!」
シャーロットは、ソフィアをギュッ抱き締める。
「シャーロットさん… く… 苦しい…」
「ごめんなさい、ソフィアちゃん!! 大丈夫?」
「だ… 大丈夫…」
僕は苦笑いをしつつ、3人を家に招き入れる。
と、言ってもソフィアやたぶんアネモスさんの家と比べると小さいと思うから、案内もすぐに終わってしまう。ダンジョンについては、今の所教えるつもりはないので、先にソフィアに入り口部分を隠して貰ったのでバレずにすんだ。
今は、自己紹介(ソフィアとアネモスが初対面だった為)を済ませ4人でお茶を飲みながら、話をしている。バレッタさんも誘ったのだが、やんわりと断られてしまった。
「ノーリさん、ソフィアちゃん、案内してくれて、ありがとう。」
「ありがとうございました。」
「それにしても、ノーリさん、かなりの数の魔道具を使っているようですが、大丈夫なんですか?」
アネモスさんが、そう聞いてくる。
「なんの事で… なんの事、アネモス?」
ソフィアへの自己紹介の時、「私にも敬語は不要です!!」との事で敬語なしで、質問の意味を尋ねる。
「色魔石の事です。確か、1つ1つの値段が高いと聞いた事があるのですが?」
あぁ、その事か。
「それは、私も聞いた事があります。ノーリ、大丈夫なんですか?」
「大丈夫だよ。引っ越した時に、貰った分もあるからね…」
それに、それが無くなっても、魔力交換で交換できるしね。
「そうなんですね。でも、ノーリ、何かあったら言って下さいね。いつでも、力になりますから!!」
「私もです!!」
「ありがとう、2人とも。その時は、お願いするよ。」
「「はい!!」」