66話・引っ越しと登録
ポリーナさんたちが待つ、家へと帰る。
「おかえり、2人とも!!」
「ただいま帰りました。」 「ただいま!!」
「ご飯は、もう出来てるから、手を洗っておいで」
「「はい!!」」
手洗い・うがいをしてからむかう。
既に、ダニールさんが座っていた。ポリーナさんも席についたので、食べ始める前に、2人に明日には引っ越す事を伝える。
2人には、僕がそう話す事が分かっていたようで、いつもより豪勢な料理を振る舞ってくれた。
夕食後、部屋の片付けが一段落した所で、
「お兄ちゃん、少し話いい?」
「ん、どうしたソフィア?」
いつもに比べ真剣な表情だった。
「私ね… 学園に行くのやめとこうと思うの…」
「!? …理由を聞いても、いいかい?」
「私… お兄ちゃんと冒険者になりたいの…」
「冒険者にかい? だけど、冒険者は…」
「お兄ちゃん!! 冒険者が危険な事は、分かってるよ… でも… でもね…」
「…分かったよ、ソフィア。」
「!? ほ… 本当、お兄ちゃん?」
「だけど、少しだけ待って貰ってもいいか?」
「?」
「ちゃんとした装備を作るから、その間待ってて貰えるか?」
「うん!! いくらでも、待ってる!!」
「なら明日、ギルドに登録してから、ソフィアのステータスを見せて貰ってもいいか?」
「うん!!」
その後、残りの片付けを済ませ、眠りについた。
◆
「「お世話になりました!!」」
僕たち、2人に頭を下げる。
「2人とも何かあったらいつでも、戻ってきてもいいからね。」
「そうだよ。てか、必ず顔を見せに来るんだよ!!」
「「はい!!」」
僕たちは、再度お礼を言った後、僕たちの家へむかった。朝早くに冒険者ギルドに行っても、混んでいるからだ。時間を潰すために、作製したソファーでソフィアと寛いでいた。しばらくして、
「それじゃあ、ソフィア、冒険者ギルドへ行こうか?」
「はい!!」
2人で、冒険者ギルドへむかう。
ギルド内は、時間をおいたおかげもあってか、冒険者の数は少なかった。
僕たちの順番は、すぐにまわってきた。
「あら、ノーリ君、いらっしゃい。ん、後ろの女の子は、もしかして彼女さんかしら?」
ここでもか…
「…違いますよ、マリヤさん。妹です。」
「そうなの? 私は、冒険者ギルドサブマスターのマリヤです。」
「!?」
「わ… 私は、ソフィアです。よろしくお願いします!!」
「ソフィアちゃんね。はい、よろしくね。なら、今日は、ソフィアちゃんの登録かしら?」
「そうですけど… マリヤさん、いつの間に、サブマスターになったんですか?」
「あら、言ってなかったかしら? 元サブマスターは、この前のゴブリン大群が来た時に、逃げだしたから、首になって、代わりに私が昇格したの。」
元サブマスター… あぁ、あの人か…
「そうなんですね。一応、昇格おめでとうございます、マリヤさん。」
「ありがとう、ノーリ君。それじゃあ、ソフィアちゃんの登録をしましょうか?」
「はい、お願いします。」
「お願いします!!」
ソフィアの登録をして貰う。