6話・スキルポイントの実
思ってた通り、作製できるアイテムが増えていた。
アイテムの効果は、何となくだが理解出来る。最後のスキルポイントの実が一番気になったので、そのまま作製してみる事にした。
『スキルポイントの実 Ⅰを作製する事で、よろしいですか?』
・ はい ・ いいえ
はいを選択する。
『作製時間:1時間』
…どうやら、作製時間も、作製するアイテムによって異なりそうだな。さて、どうしたものかと思っていると、
ぐ~~~
お腹がなった。回復草採取や、他の素材を集める為に動き回ったからだろう。よく見たら日も天高く昇っていた。ソフィアが作ってくれた弁当でも食べようと思ったが…
「宝箱に入れていたままだった…」
作製中の宝箱を開けたらどうなるか分からないけど、ついでにそれも試す為に、開けてから弁当を取り出してすぐ閉める。作製時間を確認すると、
『作製時間:59分』
開けても、ちゃんと時間は進んでいた。
休憩がてら、弁当を食べながら、待つ事にした。
~59分後~
『作製完了しました』
開けてみると、魔石と何粒かあった木の実が全て無くなっており、木の実を置いていた場所に光る木の実?があった。たぶん、これがスキルポイント実だろう。
空を手に取り、アイテム鑑定をかける。
スキルポイントの実 Ⅰ ・・・食べる事で、スキルポイントが5貰える。
「よし!!」
思った通り、スキルポイントが貰えるアイテムだ。
僕は、すぐにそれを口に入れ、飲み込む。
飲み込んだ後、すぐにギルドカードを取り出し、魔力を流す。
名前:ノーリ 種族:人族 年齢:11 性別:男
LV: 3 生命力: E 魔力: S
力: E 器用: D 防御: D 敏捷: D
知力: A 精神: E 運: D 魅力: D
スキル:剣術Lv1 宝箱作製Lv2 アイテム鑑定Lv1
称号:ー
スキルポイント:5
ちゃんと5ポイント、増えていた。
僕は、その場でガッツポーズすると同時にもっと増やしたいという気持ちに駆られ、またしても森に入っていった。
そんな浮かれた気持ちで、数匹のスライムを倒しながら、いつもより森の奥に入ったせいか、気づいた時には時既に遅く、少し前の草むらから2匹のゴブリンが表れた。
「「グギャギャギャ」」
2匹は、獲物を見つけた事が嬉しいのか、笑いながら迫ってくる。
鼓動が速くなっていくのを感じ、息も少し荒くなってくる。僕はゴブリンに背をむけ、一目散に逃げ出す。1匹でも大変だったので、2匹相手に勝てる訳がない。
「「グギャー!!」」
走りながら、後ろをちらっと見ると、2匹は追って来ていた。距離は少し空いているが、ゴブリンの元の敏捷や午前中に動き回った疲れもあるせいか、だんだん距離をつめられる。
このまま逃げても追い付かれると判断した僕は、自分の不注意さに憤りながらも、木のかげに隠れ、そのまま這うように距離を取り息を殺す。
それが功をなしたのか、僕を見失ったゴブリンは二手に別れた。このまま、別の方向に行ってくれと祈ったが、そううまくいく筈もなく、ゴブリンの1匹がこっちにむかって歩いてくる。
僕は腹をくくり、剣を引き抜きながら、音を立てないように立ち上がり剣を構える。
草や葉を踏む音が、どんどんこちらに迫ってくる。僕は握る手に力を込め、音を便りに近づいてきたゴブリンにむかって、思いっきり剣を振るった。