表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/389

閑話・グラディウス

 私が、私用から帰ってくると、王都が現在進行形で、ゴブリンの大群に襲撃されていた。

 とりあえず、私はゴブリンを叩き潰して回った。

 ゴブリンやホブゴブリン、ジェネラルと潰したが、このくらいの数の統率となると、たぶんキングがいる筈だ。この場を他の者たちに任せられると判断し、私は単独でキング討伐に乗り出す。

 しばらく探して回ったが、それらしき者は影も形もなかった。

 捜索範囲を広げると、魔石を拾っている者に出くわした。その者の持っている魔石を見せて貰うと、それはゴブリンキングの魔石に間違いなかった。


「これは、誰が倒したの?」


 気になったので、私は魔石を拾っていた者に尋ねた。


「すみませんが、そこまでは聞いてないですね。俺は、頼まれて、ここ周辺に落ちてある魔石を回収するように、頼まれただけなので…」


「誰に、頼まれたの?」


「バレッタって人からですね。」


「バレッタ…」


 もしかして、あのバレッタ?


「分かったわ。ありがとう…」


 私は、そう言ってから、王都へ急いで戻った。



 ◆



 冒険者時代に、使っていたアイテムで、バレッタに連絡を取る。このアイテムは、そこまで距離がないのが欠点だが、王都内なら何とか使える。


『バレッタ、聞こえる?』


『その声は、グラディウスね。王都に帰って来てたのね。それで、今回得た情報は、どうだったの?』


『それは、デマだったね。それよりも、少し聞きたいんだけど、ゴブリンキングを倒したのは、貴方?』


『私では、ないですよ。』


『なら、誰が倒したの?』


『…どうして、そんな事をしりたいの?』


『興味があるからだね。』


『そう…』


 その後も、何とかねばりその時何が起きたのかなど教えて貰った。


『有望そうな子ね… 教えてくれて、ありがとう。また、今度一緒に、飲みましょうね。』


『…機会があればとだけ言っておくわ。』


『分かったわ。それじゃあ、元気でね、バレッタ。』


『グラディウスも…』


 連絡を終えた後、その冒険者について、調べた。


「ユニークスキル持ちの少年か… 次、ギルドに来たら、呼ぶように伝えておくとして、とりあえず、サブマスターの件を先に片付けるべきよね…」


 何かしらのコネで、あの男は、サブマスターになった。仕事が出来ない訳ではないのだが、人をすぐ見下す傾向もあるのに、本人は弱いときている。今回も、いち早く逃げ出しているようだし、それだけならいいのだが、ギルドのお金まで持って逃げている。サブマスターは、クビにして、指名手配しないといけないわね…

 はぁ… 新しいサブマスターを決めるまでは、私も外に出る訳には、いかなくなったわね…

 私は、サブマスターの件を早々に片した。



 ◆



 コンッコンッ


「マリヤです。ノーリ君を連れて来ました。」


「どうぞ。」


 どうやら、例の冒険者がやって来たようだ。

 マリヤの後ろから、想像よりも幼い顔の少年が入ってきた。


「すぐ終わるから、そこに座って待っててくれる? マリヤ、悪いけど、飲み物の準備をしてくれる?」


「はい…」 「分かりました。」


 一段落ついたので、彼の前に座る。


「君が、ノーリ君だね。私は、ここの冒険者ギルドのギルドマスターをしている、グラディウスよ、宜しくね。」


「!?」


 どうやら、驚いている。


「ノーリ君の思っている通りよ。以前は、剣聖と呼ばれていた事もあるわね。それで、君をここに呼んだ理由だけど、2つあるわ。1つ目は、君の事を、直接見てみたかったからだね。」


 そう言いながら、私は、彼に対して鑑定を使う。

 まぁ、私の鑑定スキルのLvは、そこまで高くないので、簡単な情報しか分からない。

 この、宝箱作製ってスキルがユニークスキルね。

 それにしても、本人のLVに対して、他のスキルのレベルが高いわね… 何かあるのだろうか?


「僕の事をですか? どうしてですか?」


「…君の事を、バレッタに聞いたからだね。」


「バレッタさんにですか?」


「えぇ、バレッタとは昔冒険者パーティーを組んでいたんだよ。」


「そうなんですね。」


「それで、2つ目は、これを君に渡すためだね。」


 そう言って、私は魔石が入った袋を机の上に置く。


「これは、なんですか?」


「ゴブリンの魔石だね。バレッタからには、君が倒した分を回収したって聞いたよ。」


「どうする、そのまま持って帰る? それとも、このまま買い取ろうか?」


「そのまま、持って帰らせて貰ってもいいですか?」


「大丈夫よ。でも、結構な数があるけど持って帰られる?」


「大丈夫です。」


 魔石の入った袋が消えた。

 あれはたぶん、アイテムボックス…

 やっぱり、面白い子だね。


「それじゃあ、私からの用件は以上だね。ノーリ君の活躍に今後も期待しているよ。」


「はい!! 頑張ります。」


 彼らを見送った後、私は、彼の鑑定結果を思い返してみる。


 名前:ノーリ 種族:人族 年齢:11 性別:男

 LV: 35

 スキル:剣術Lv4、宝箱作製Lv4、俊足Lv5


 LVも歳の割には、高い。今後も彼のやる事に、要注目だね。そう結論付けて、残っている仕事に取りかかる。

作者より(捕捉)


鑑定スキルのLvが低いと、簡単な情報しか分かりません。

分かる情報は、名前、種族、年齢、性別、LV、もっとも高いLvのスキル3つのみです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ