49話・声の正体
床下には、階段があった。
「お兄ちゃん、何かあるの?」
ソフィアも、気になったのか尋ねてくる。
「階段がある…」
「階段が? 私も、入って見てもいい?」
特に、物置内に危険はなさそうなので、
「いいよ、でも階段を下りたらダメだぞ?」
「はーい!!」
ソフィアも、物置内に入ってきて、僕が切った後の床下を見る。
「本当に、階段だね?」
「そうだな…」
「お兄ちゃん、もしかして、下りる?」
「…そのつもりだよ。」
だって、この下に、声の正体がいる気がするからだ。
「そっか… なら、私も…」
「ソフィア!! さっきも、言ったけどダメだぞ!!」
少し、頬を膨らませつつ見上げてくるが、今回は流石に、譲るつもりはない。ソフィアも、それに気づいたのか、
「…分かった。」
納得してくれた。
「ありがとな、ソフィア。」
ソフィアの頭を撫でてやると、膨れっ面もなおしてくれる。
「それじゃあ僕は、今から下に、下りるからもし、少ししても帰ってこなかったら、ポリーナさんの所に戻るんだよ?」
ソフィアは、しぶしぶ頭を縦に降ってくれる。
僕は、聖剣の握りを1度確認した後、下に下りていく。階段は、どこかほんのりと光っている。また、階段もそこまで深くなく、すぐに下にたどり着いた。
階段の先は、上の物置部屋の半分くらいの空間があり、その中央には、宙に浮かぶ大きな玉があった。
『魔力を補給して下さい』
「声は、あの玉からしているのか?」
僕は、ゆっくりとその玉に、近づいてから、その玉に、アイテム鑑定を使う。
アイテム名:???????(魔力不足)
説明:????????????????
希少度:★★★★★★★★☆☆
アイテム鑑定のLvを上げたら、鑑定後の見方も変わっていた。それでも、アイテム鑑定のLvが足りないのか、一部しか分からず、一番重要な、アイテムの名前も分からない。
まぁ、でもとりあえず危険はなさそうなので、ソフィアを安心させる為に、1度上に戻る事にした。上に戻ると、僕に気づいたソフィアが抱きついてきた。
「おかえり、お兄ちゃん!! 下は、どうだったの?」
ソフィアが、そう聞いてきたので、見たままを説明する。
「玉が浮いていたの? 私も見てみたい!!」
どうやら、ソフィアの好奇心を刺激してしまったようだ。少し迷ったが、玉以外は、何も無かったので、何かあったらすぐ逃げる事を条件に、ソフィアと下に下りた。
「本当に、玉が浮いてる!!」
ソフィアが僕の後ろから、玉を見る。
「お兄ちゃん、あの玉は何なの?」
そう聞いてくるが、正直アイテム名が分からないので、僕にも分からない。唯一分かっている事は、あの玉が魔力不足だってことだけだ。
「僕にも、分からないね。」
「そうなんだ。」
ソフィアは、ふらっと玉の反対側へ回っていった。すると、
「お兄ちゃん!! これ見てみて?」
「どうした?」
僕も、反対側へ回り、ソフィアの指差している、場所を見てみる。
「!?」
玉の表面には、45と浮かび上がっていた。
作者より(捕捉)
アイテム鑑定Lvアップにより、鑑定後の表示が変わっております。
旧) アイテム名 ・・・ アイテムの簡単な説明。
↓
新) アイテム名:○○○
説明:アイテムの説明欄
希少度:★or☆で表示。最大は、★10個です。