44話・声のする方
次の日も、僕はダンジョンへ潜る事なく、家で過ごしていた。昨日の夕方くらいから、全身筋肉痛が僕を襲った。動かせない訳ではないが、ダンジョンへ行くのは危ないと判断したからだ。
今は、部屋で横になっている。昨日よりは、痛みは引いてきている。
「そういば、今僕のステータスってどうなってんだろ?」
昨日は、バタバタしていて、確認するのを忘れてた。特に、する事もないので、早速確認してみる事にした。
アイテムボックスから、ギルドカードを取り出し、魔力を流す。
名前:ノーリ 種族:人族 年齢:11 性別:男
LV: 40 生命力:C 魔力:S
力: C 器用: C 防御:C 敏捷: C
知力: A 精神:C 運: B 魅力:C
スキル:剣術Lv4、宝箱作製Lv4、アイテム鑑定Lv3
見切りLv3、アイテムボックスLv2、身体強化Lv2
俊足Lv5、気配察知Lv1、限界突破Lv1
称号:勇者
到達階層:10階(オベリスタ王国ダンジョン)
スキルポイント:35
「あれ? ステータスの伸びが良いような気がするな…」
とりあえず、覚えたスキルと称号を確認してみる。
気配察知 ・・・ 周囲の気配を察知しやすくなる。
必要スキルポイント:30
限界突破 ・・・ ステータスを全て1段階強制的にあ
げる事が出来る。効果時間30秒。インターバル1日。
必要スキルポイント:100
勇者 ・・・ 勇敢にして、聖剣を扱える者に送られる称号。LVアップ時、ステータスの上昇率アップ。また、スキル:限界突破を取得。
「なるほど…」
称号のおかげで、ステータスの伸びが良かったのか。
あの時、この称号を送られなかったら、死んでいた可能性もあるから、僕は、本当に運が良かった。でも、運が良いだけで、自分が弱い事に変わりはない… 皆を助けれるくらい強く…
そう思うと、いてもたってもいられなくなり、体を起こす。体を動かす為、散歩に行く事にしたからだ。
そのまま、家を出て、何となく、行った事のない方向へ歩き出した。
◆
しばらく歩いていると、
『ー力ーーーしーーーい』
「!?」
今何か、聞こえたような気がする。辺りを見渡すが、それらしき事を言っている人はいない。気のせいかな?
『ーーを補ーーー下ーー』
「!?」
いや、気のせいじゃない。僕は、何となく声のしたと思われる方へ歩いていく。気持ちでは、走っているつもりだ。
『魔ーーー給ーてーだー』
すると、とある家の前に、たどり着いた。
その家は、少し大きい2階建ての家で、周りは塀で囲まれていた。声の主は、たぶん、この中だと思うけど、勝手に入る訳にもいかない。
ただ、家の前の立て札には"売家"と不動産屋の住所がかかれていた。だから、僕は、そこに書かれている住所の場所にむかった。くどいようだが、気持ちは走ってだ。