43話・お礼の使い道
僕は、深々と頭を下げ、袋を受け取った。
受け取った後は、国王様たちも用があるとの事で、お開きになった。
僕はそのまま、家に帰る事にした。
来た時同様送ってくれるとの事で、馬車に乗り込んだ。当然、シャーロットも着いてきた。今回は、バレッタさんも、馬車の方に乗ってきたのだが、シャーロットは、僕の横に座った。
僕は、横に座ったシャーロットに話しかける。
「なぁ、シャーロット?」
「どうしました?」
「本当に、これ貰ってもよかったのかな?」
「はぁ~… ノーリさん、先程も言いましたけど、それは、正当な報酬なんですから、気にしたらダメですよ」
「…分かったよ。」
その後は、たわいもない話をしていると、帰り着いたので、シャーロットにお礼を言ってから家に入った。
◆
家に帰ると、誰もいなかった。
たぶん、買い物にでも出掛けたのだろう。
部屋に戻ると、確認し忘れていた袋の中身を確認する為、アイテムボックスから袋を2つ取り出し中身を見てみる。
僕は、開けた袋をすぐに閉じる。
「あれ? やっぱりまだ、疲れているのかな?」
僕は、目頭を軽く揉んだ後、再び袋を開けて中身を見る。
「うん、やっぱり疲れているみたいだ。よし、寝よう!!」
僕は、横になる。
1分… 5分… 10分… 眠気はこない…
僕は、体を起こし、もう一度袋を開けてみる。
「…やっぱり、見間違いじゃないよな。」
袋を逆さまにして、中に入っていた硬貨を取り出す。手のひらには、数枚の硬貨が白金色に輝いていた。
「僕、白金貨なんて、初めて見たよ…」
もう一つの袋の中にも、同じ枚数の白金貨が入っていた。僕は、そっと袋に戻しでアイテムボックスへ入れる。
「さて、どうしたものか…」
正直、お金がある分に困る事はないのだが、急にこんな大金を手にしたら、逆にどうすればいいか分からなくなる。どうするか、しばらく考えていると、
「ただいま~!!」
ソフィアたちが、帰ってきた。
◆
僕は夜、ポリーナさんたちに、お金について説明した。半分を、日頃のお礼の為、ポリーナさんたちへ渡すためだ。
「そりゃあ凄いね。でもね、ノーリ。そのお金は、あんたが自分で稼いだお金だから、自分で使うべきだよ。」
「そうだね。気持ちは、嬉しいけど、そんなお金を貰う訳には、いかないよ。」
「で… でも、お世話になってますし…」
「まったく… だから、そんな事、気にする必要ないって。」
「そうだよ、ノーリ君。だから、そのお金は、何か欲しい物を買うのに、使いなさい。」
「…分かりました。ありがとうございます。」
こうして、お礼の全額自分の物になった。
ノーリは、当分使わずに、アイテムボックスにいれておくつもりだったようだが、近々使ってしまう事をまだ知らなかった。