40話・お迎え
街に帰りついた時には、日も暮れかけていた。回復薬を飲んだとはいえ、疲労はまだ消えきっていない。
だから、シャーロットたちにそう伝え、僕は1人、家に戻った。何気に、家についてこようとするシャーロットたちを宥めるのに、少し苦労したけど、何とか納得してもらった。
◆
「ただいま~」
「お兄ちゃん!!」
「うぉ!!」
僕は、飛んできたソフィアを受け止める。
今度は、何とか後ろに倒れず堪える事が出来た。
「どうした、ソフィア?」
ソフィアは埋めた顔を上げて、少し潤んだ瞳で見上げてくる。
「モンスターを倒すのに、冒険者が駆り出されるって聞いたから…」
ソフィアはそう言って、再び胸に顔をうずめ、背中にまわした手に力を込める。
そう言えば、そんな話していたような…
シャーロットを助ける為、話を聞かずに飛び出したからなぁ…
僕は、ソフィアを安心させる為、頭に手を起き優しく撫でる。
「心配させたね、僕は見ての通り大丈夫だよ。」
「うん…」
「まぁ、ただ疲れたから先に休ませて貰うな。」
「はい…」
そう言って、ソフィアは離れてくれる。
2人で、1度リビングにいき、ポリーナさんたちにも声をかけた後、する事を手早く済まし、僕は部屋のベッドに倒れ込み、そのまま泥のように眠った。
◆
「…ん お… ちゃん お兄ちゃん!!」
「んん…」
ソフィアの呼ぶ声で目を覚ます。
「おはよう、ソフィア。」
「おはよう、お兄ちゃん!!」
「それで、どうしたんだソフィア?」
少しソフィアが慌てているような気がしたので聞いてみる。
「そうだった!! お兄ちゃん、シャーロットさんが来てるよ。」
「シャーロットが?」
「うん!! 今、リビングで待ってるよ?」
「分かった。顔洗ってから行くから、そうシャーロットに伝えといてくれないか?」
「分かった!!」
そう言って、ソフィアは駆け出していった。
ソフィアとシャーロットは面識がある。僕が学園に受かる前に、図書館に迎えに来た時に知り合ったからだ。
「ふぁ~」
体を伸ばした後、顔を洗いにいきリビングにむかった。
リビングでは、ソフィアとシャーロットが話していた。一応ソフィアの横に、ポリーナさんもいるのだが、緊張しているのか、じっとしていた。そう言えば、シャーロットがここに来るのは初めてだったな。
「おはよう、シャーロット。待たせたな。それにしても、今日はどうしたんだ?」
気になった事を、尋ねてみる。
「おはようございます、ノーリ。今日はお迎えにあがりました。」
「迎え? どこか行くのか?」
「はい。私と一緒に王城へ来て下さい。」
「…え?」
シャーロットの言っている事の意味が分からなかった。