表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/389

39話・帰還

 僕は、そのまま倒れこんだ。

 このまま、寝てしまおうかとも思ったが、一応まだ森の中なので、諦めた。

 でも、少し位このまま休んでおこうかと、思ったが、


 ガサガサ


 音がした方を横目で見ると、数匹のゴブリンが草むらから、出てきた。


「やばっ…」


 体を起こそうとするも、思ったより体への疲労があるようで、二重付与の剣を杖がわりにして、立つ事がやっとだった。


「「「グギャギャ」」」


 ゴブリンたちにも、僕がろくに動けない事に気づいたのか、笑いながら、ジリジリと寄ってくる。

 限界まで引き付けてから、聖剣で倒そうかと思ったが、


「「ウィンドカッター!!」」


 真横から放たれた風の刃が、ゴブリンたちを切り刻み、光の粒子になって消えていった。

 魔法が放たれた方を、見てみると、


「「ノーリ(さん)、大丈夫ですか!!」」


 シャーロットとアネモスさんがいた。


「2人とも、どうしてここ… うおっ!!」


 2人が、走り寄ってきて、そのまま飛び付いてくる。

 立っているだけで、ギリギリだったので、そのまま後ろに倒れてしまう。


「痛たたた…」


 疲れきった今、2人が上に乗っているので身動きがとれない。首だけ、浮かせてから、


「それにしても、2人がどうしてここに? 街に戻ったんじゃないのか?」


 気になった事を、聞いてみる。


「「助けにきました!!」」


 2人は、声を揃えて言う。

 まぁ、確かに助かったけど、


「2人で「あ、ちゃんと他の人もいますよ!!」」


 浮かせた首で周りを見てみると、バレッタさんや他にも鎧姿の騎士たちがいた。


「森を出たら、バレッタたちに会ったので、そのままノーリを助けに来たんです!!」


 たぶん、シャーロットの捜索に来たんだろう。


「そうか、ありがとう2人とも。でも、街の方は?」


「それも、大丈夫です!!」


 シャーロットがそう言ってくる。


「だ… 大丈夫? それは、いったいどういう…」


「ノーリさん、ゴブリンたちは粗方、討伐されたそうです!!」


 アネモスさんが、そう教えてくれる。


「討伐… そうか、それは良かった… でも、まだここが安全になった訳じゃあないから、急いで戻らないと、だから、2人とも上から降りて貰ってもいいか?」


「「ご… ごめんなさい!!」」


 2人は、顔を真っ赤にしながら、上から降りてくれる。降りたのを確認してから立ち上がろうとするが、まだ回復しきれていないようで、支えなしだと体を起こす事で、精一杯だった。


「ノーリ君、良かったら回復薬をどうぞ?」


 バレッタさんが、手渡してくれる。


「ありがとうございます、バレッタさん。」


 受け取った、回復薬を飲み干す。幾分か回復した。

 回復したので、立ち上がろうとすると、スッと2つの手が差し出された。シャーロットとアネモスさんだ。


「ありがとう、シャーロット、アネモスさん。」


 僕は、2人の手を借りて、立ち上がった。

 その後は、騎士たちの護衛のもと街へと帰っていった。

1章完結です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ