38話・決着
だけど、中型ゴブリンの体勢は崩れたので、一気に距離をつめてから、斬りつける。
何とか、中型ゴブリンを倒す事に成功した。
すると、当然持っていた剣が光に包まれる。
「!?」
突然の事で少し、硬直してしまう。
そのせいで、デカいゴブリンが迫ってきている事に、気づくのが、少し遅れてしまった。
気づいた時には、すでに、横振りに振られた大剣が目の前に迫ってきていた。死が頭の中をよぎる。
ズルッ
「!?」
何かに足をとられ、滑ってしまう。
ブンッ
大剣は僕の頭の上を通りすぎていき、難を逃れた。
どうやら、倒した中型ゴブリンの魔石に足をとられたようだ。
だけど、すぐにデカいゴブリンの足蹴りが飛んでくる。今度は、何とか間に合い、バックラーを盾にする。それでも、威力が強く少し飛ばされ、木に背中を打ち付ける。
デカいゴブリンは、追い討ちをかける訳でもなく、僕を… 正確には、僕の持っている剣を睨んでいる。たぶん、この剣の光に警戒しているのだろう。
僕は、痛む体に鞭を打ち、体を起こす。蹴りを受け止めたバックラーはひしゃげて、使い物にならなくなっていた。
剣に視線を移すと、光は、徐々に弱まっていき、今までと比べ少しだけ小振りになった、剣を握っていた。
僕は、剣を軽く、振ってみる。今まで以上に、手に馴染み、重さも、丁度良くなっている。
僕は、ひしゃげてバックラーを投げ捨て、アイテムボックスから、二重付与の剣を取り出してから構える。
剣が光出した際に、僕は、ある称号を獲得していた。その称号の効果なのか、新しいスキルの情報が頭に流れ込んできていた。実の所、この情報が頭に流れ込んできていたせいで、硬直してしまったんだ。
僕は、そのスキルを発動する。
「限界突破!!」
僕の体が光に出し、全身の力が漲る。
「行くぞ!!」
俊足スキルを使い、デカいゴブリンの前まで移動した僕は、(仮)のとれた剣… 聖剣を振り下ろす。
デカいゴブリンは、大剣で受け止めようとしたが、その大剣ごと斬り裂く。
「グギャ!!」
斬り裂きはしたが、踏み込みが甘かったのか、浅くしか斬り裂けていなかった。
「グギャー!!」
怒ったデカいゴブリンは、大剣を持っていた逆の手で殴りかかってくる。僕はそれにあわせ、二重付与の剣を振る。
「グギャ!!」
二重付与の剣は、デカいゴブリンの肘ぐらいまで、斬り裂いた。当たり前だが、小鬼殺しが効いている。
「グギャー!!」
デカいゴブリンは、斬られた大剣を持つ方の手で、殴りかかってくる。怒り狂ったデカいゴブリンのパンチは読みやすく、伏せてそのパンチを躱しつつ後ろに回り込む。
「グギャ?」
回り込んだ、僕は2本の剣を振りかぶる。
「これで、おしまいだ!!」
勢い良く、振り下ろす。
「グ… ギャ…」
デカいゴブリンは、3枚におろされ、光の粒子になって消えていった。
「終わった… うっ…」
突然の急激なだるさで、膝をつく。
限界突破がきれてしまった。
「ハァハァ… もう動けん…」
僕は、そのまま倒れこんだ。
デカいゴブリン → ゴブリンキング
中型ゴブリン → ゴブリンジェネラル