37話・決戦
僕も、2人に背をむけ、ゴブリンたちを待ち構える。
ゴブリンたちは、2人が行ってから少しして、やって来た。数は、先程倒したゴブリンの倍ちかくいる。しかも、ゴブリンだけでなく、ゴブリンマジシャンやホブゴブリンもいる。だが、デカいゴブリンの姿はまだ、見えない。正直な所、状況は、少しヤバい。だけど、
「悪いな、僕はここで死ぬ訳には、行かないんだ!!」
そう言いながら、先頭のゴブリンを斬りつけ、戦いは、はじまった。
数が多いだけで、戦い方が変わる訳ではない。
バックラーで受け流したり、躱したり、ゴブリンマジシャンの魔法で同士討ちさせたり、とりあえず数を先に減らしていく。
既に、30匹近くは倒しているが、まだ数が残っている。
後ろの方には、やっと姿を表した、デカいゴブリンが笑いながらこっちを見ている。そして、そのデカいゴブリンの前にも、それよりも小さいが普通のゴブリンよりも2倍近くの大きさのゴブリンが、数体いる。
「こうなったら、自棄だ。とことん殺ってやるよ!!」
アイテムボックスから、すぐ取れる位置に、移動させておいた回復薬を飲みながら、ゴブリンの軍団に突撃していく。
◆
「ハァハァ… ノーリさん大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です!! ハァ… 私は信じてるから!!」
「そ… そうですよね!!」
そうです… 絶対ノーリさんは、戻って来てくれます。だって、ノーリさんが今まで私との約束を破った事なんて、ないんだから!!
だから、今私たちが出来る事は、急いで街へ戻って助けを呼ぶ事だけなんです。
だけど、ゴブリンの数が多く、いまだに森の外へ出れていない。だけど、もうそろそろ、森を抜ける事が出来きる筈です。
「シャーロットさん、もうそろそろ森を抜けそうですよ!!」
「はい!! アネモスさん、急ぎましょう!!」
やっと、森を抜けた。
そこには…
◆
残りは、デカいゴブリンと中型ゴブリン数体だけとなった。
回復薬は全て飲み干しており、回復手段はもうない。だから、よりいっそう、慎重に戦わないといけない。
「ハァハァ… 後はお前らだけだ…」
正直言って、勝てるかどうかわからない…
「グギャギャ!!」
デカいゴブリンがそう言うと、中型ゴブリンが一斉に、襲いかかってくる。
僕は、拾っておいた、全ての緑色の魔法石を取り出し、中型ゴブリンにむけて投げつける。
「命令:ウィンドカッター!!」
無数の風の刃が、迫ってきていた中型ゴブリンを切り裂く。だけど、先頭にいた中型ゴブリンが盾がわりになったのか、全ての中型ゴブリンを殺る事は出来なかった。
だけど、中型ゴブリンの体勢は崩れたので、一気に距離をつめてから、斬りつける。




