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301話・キラキラの瞳

 エルマーナさんとのやり取りを終え、ベッドから起き上がり顔を洗いにいく。

 洗ってからすぐ皆の待つ食堂へと向かう。

 食堂についた時には、既に机の上には色とりどりの料理が並んでいた。


「お待たせしてすみません。何か手伝う事はないですか?」


 遅れた事を謝りながら、手伝う事はないか確認してみるが、


「大丈夫だから、ノーリ君は座って待ってて頂戴。」


 そう言われてしまい、それに従って邪魔にならないよう空いてある椅子に座ろうとすると、服の端を誰かに引っ張られてしまう。


「ん?」


 振り返ると、そこには僕の服の端を掴むライアさんが立っていた。


「ライアさんももう来られていたんですね。」


「うん… さっき来た所…」


「そうなんですね。それで、どうされたんですか?」


「今からお祝い… だから、あれを用意してほしい…」


「あぁ、はいあれですね。分かりました。今から準備しておきますね。」


「ありがと…」


 ライアさんは、お礼を言ってから近くの椅子に腰かける。

 僕もその横に腰かけ、果物の準備をする。

 そろそろアイテムボックス内の果物の数も少なくなっていたけど、折角の祝い事なのである分全部出す事にした。

 断りをいれてから、空いてあるスペースにアイテムボックス内にあった大きめの皿を取り出し、そこに果物を出していく。


「あ… お… むふぅ…」


 積み重ねる果物の数が増える度に、真横から声が聞こえてくる。

 チラッと横を見ると、ライアさんの瞳はキラキラと輝いており、その視線は積まれる果物を凝視していた。

 本当に好きなんだなぁと思いながら、残りも積み重ねていく。


「よし。これで最後っと。」


 アイテムボックス内の果物を全て出し終える。

 すると再び服を引っ張られる。


「どうしました、ライアさん?」


「こ… これ、全部食べていいの?」


 更にキラキラとした瞳をこちらに向けながらそう聞いてきた。


「えぇ、いいですけど、他の人の分もあるので1人で全部食べたら駄目ですよ。」


「それは分かってる… それに、1人でこんなにも食べられない…」


「はは、そうですよね。すみません。」


 それはそうかと謝る。


「後で頼みを聞いてくれたら許す…」


「頼みですか?」


「うん…」


「僕が出来る事ですか?」


「うん、出来る…」


「そうですか。それならって、あ!!」


 たぶん果物を頼まれると予想をたてた所でもうない事に気付き、声が出てしまう。


「ど… どうしたの?」


「あ、いや何でもないです。」


 後で取りに戻ればいいかと思い直し、


「分かりました。」


 と了承する。

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